硫黄島に次ぐ「訓練の島」に? 鹿児島「馬毛島」とは 防衛省がゼロから開発するメリット

種子島の西に浮かぶ無人島「馬毛島」に、いま防衛省・自衛隊が注目しています。この小島を訓練のための一大拠点にしようという計画ですが、“訓練の島”としては、東京からはるか南の硫黄島が知られます。なぜ馬毛島なのでしょうか。

航空基地にとどまらない馬毛島の改修計画案

 2022年4月には、防衛省が「航空自衛隊馬毛島基地(仮称)」の施設配置案を発表しています。建設される予定の施設は、基地としての運営に必要な「飛行場支援施設」、航空機の管理を行う「駐機場、燃料施設、格納庫」、そして不整地着陸や模擬艦艇発着訓練を行う「訓練施設」の3つです。

 ほかにも、海上自衛隊を始めとした各種艦艇が停泊可能な桟橋や係留施設、エアクッション型揚陸艇(LCAC)などの揚陸施設なども建設される予定です。なかでも艦艇が停泊できる係留施設や仮設桟橋などは、海流が速く島の隆起スピードも早い硫黄島では建設不可能な施設であり、馬毛島の特徴となるでしょう。また、横風用の滑走路も硫黄島にはありません。

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馬毛島基地(仮称)の施設配置案(画像:防衛省の資料より抜粋)。

 一方で、現在の航空写真で見ることができる滑走路のような跡地は活用されず、全く異なる場所に滑走路などが建設されることから、防衛省としては馬毛島をゼロから開発することにしているのでしょう。

 こうしたことから、近い将来、馬毛島施設の運用が開始された場合、従来、国内の他基地では実施できなかった訓練を実施することができる重要な施設として、馬毛島は使われることになります。一方で、市民団体による反対活動も継続されていることから、航空自衛隊の戦闘機部隊が展開可能な航空基地になるには、まだ時間がかかると考えられます。

【了】

【硫黄島内を巡ったレア写真】米軍人カメラマンが見た硫黄島の様子ほか

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

1件のコメント

  1. 「陸の孤島」とは、近隣の地域と陸続きでありながら、交通の便が悪くてアクセスが困難な地域に用いる表現なので、硫黄島には当てはまらないかと。

    敢えて似たような表現を用いるなら「絶海の孤島」ではないでしょうか?

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