昔の“除雪”どうやってた? 現存唯一のSL排雪列車「キマロキ」編成 冬のヒーローだった記憶

保存から40年 「名寄のシンボル」に

 名寄の「キマロキ」編成は、全国でもここでしか見られないことや、車両の歴史的・文化的価値の高さなどが認められ、2010(平成22)年にJR北海道が準鉄道記念物に指定しています。

 保存開始から40年以上経過していますが、状態はとても良好です。一部制限はあるものの、各車両とも実際に乗って見学することもできるようになっているほか、機関車はヘッドライトが点灯し、ブラスト音が発生するギミックも仕掛けられています。

 良好な保存状態を保っているのは、ひとえに、40年以上も活動を続けている「名寄SL排雪列車(キマロキ)保存会」の尽力のおかげ。定期的に塗装作業を行ったり、冬期間(10月~翌年4月)にはビニールシートで冬囲いするなど、「キマロキ」編成を大切に扱っています。2013(平成25)年には、長年の車両保存活動と雪国の生活を伝える活動が称えられ、平成25年度北海道文化財保護功労賞を受賞しています。

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準鉄道記念物を示すヘッドマーク(須田浩司撮影)。

 名寄駅から展示保存場所まで乗車したタクシーの乗務員は、「この列車は、名寄市のシンボルであり、名寄市民の誇りなんですよ」と話しました。名寄市は、かつて名寄本線や深名線の起終点でもあった道北地方における交通の要所。そのシンボルとして、「キマロキ」編成は今でも名寄市民に広く根付いているのです。

「キマロキ」編成は、名寄駅から徒歩16分の名寄市北国博物館敷地内に展示保存されています。博物館では「キマロキ」関連の書籍も販売されていますので、街の散策がてら訪れてみるのも良いでしょう。

【了】
※一部修正しました(6月7日11時45分)。

【残っているのが奇跡?】「キマロキ」編成の細部 写真で見る

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Writer: 須田浩司

自称「高速バスアドバイザー」。運行管理者資格所有。高速バス乗車1100回以上。 紙原稿・ネット原稿・同人誌・ブログなどを通じてバス・鉄道を中心とした 「乗りもの旅」の素晴らしさを伝える活動を行う。北海道在住。

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