4つ目信号機、一番端は何色が光る!? なぜ横一列なのか

交通信号機はふつう、左から青・黄・赤の順に並んだ“3つ目”ですが、北海道苫小牧市には“4つ目”の信号機があります。赤の隣は何色が点灯し、またなぜ横一列に並んでいるのでしょうか。

珍しい“4つ目”信号機

 北海道苫小牧市の国道36号に、“4つ目”の信号機があります。いったい何色がどう点灯するのでしょうか。

 交通信号機はふつう、左から青・黄・赤の順に並んだ“3つ目”です。この苫小牧の4つ目信号機も、実は左3つが同じ順で、赤灯の右隣にもうひとつ灯火がある形です。

 交差点の形状は十字路ですが、交差する道路に並行して日高自動車道が通っています。そのため、その高架橋を挟むように側道があり、交差点は「キ」の字ともいえます。

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北海道苫小牧市の国道36号にある“4つ目”の信号機(2022年5月、柘植優介撮影)。

 国道36号側には右折レーンがあります。信号機の様子を観察していると、黄が点灯した後、赤とともに右折矢印が表示されました。つまり、4番目の灯火は右折矢印だったわけです。

 ただし、右折矢印はふつう、赤灯の下に設置されます。なぜこの交差点では、横一列に並んでいるのでしょうか。

 理由は先述した日高自動車道の高架橋にあります。横型の信号機は設置するにあたり、地上(車道上)から4.5m以上の高さとすることが、道路交通法施行規則や道路構造令で定められています。

 ここで高架橋の高さを目測してみます。タンクローリーとホンダ「フィット」が並んで信号待ちをしています。「フィット」の高さを約1.5mとすると、タンクローリーはその2倍と少々。仮に2.1倍として計算すると3.15mです。さらに1mほど上に余裕があるので、高架橋は地上から約4.15mの高さにあると分かります。

 さて信号機は、クルマからはっきり視認できなければなりません。この場合は高架橋と同程度の高さに下げて設置したいところですが、先述の規定に則るとそうはいきません。ましてや右折矢印を赤灯の下に設置すれば、さらに40cmほど制限高が低くなります。

 そこで、右折矢印を含めて高さ4.5mを維持できるよう、灯火を横一列に配置したわけです。こうすることで、大型トラックなど座高の高いクルマが信号機に接触するのを防いでいます。

【了】

【4番目は何色だ!?】点灯した様子を見る

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