名古屋の地下鉄を走る「真っ赤なゴツイ電車」いつまで現役? 最古参級「名鉄100系」の今後

最古参車両に忍び寄る影はある?

 いっぽう、名古屋本線やその系統の犬山線・常滑線などではステンレス車両導入が進んでいます。ことし3月に発表された2022年度の設備投資計画でも、通勤型車両9500系を4編成、9100系を1編成、それぞれ新造。ひきつづき最新の省エネ技術が投入された電車で旧型車を置き換えることで、環境に配慮した鉄道運行を図るとしています。

 また、他のどの路線ともつながっていない名鉄瀬戸線でも、100系と似た姿の6000系電車が2014(平成26)年に引退したあと、全車両がステンレス車両に置き換わっています。

 では、名鉄豊田線・地下鉄鶴舞線も、いずれは現行の車両が駆逐され、ステンレス車両に置き換わっていくと思われますが、その時期はいつになるのでしょうか。

 名鉄の担当者にたずねたところ、「豊田線の100・200系については、今のところ、新型車を導入し置き換えを進めていくという計画はございません」との回答でした。2030年までの経営目標を示した名鉄グループ長期ビジョン「VISION2030~未来への挑戦~」の中でも「新型通勤車両の新造」が盛り込まれていますが、具体的な投入線区については、今後検討していくとしています。

 ところで、名鉄はもうひとつ、地下鉄乗り入れ車両を走らせています。それは名鉄小牧線と直通先の地下鉄上飯田線に乗り入れる「300系」電車です。上飯田線自体はわずか1駅、800mだけの路線ですが、トンネル幅や諸設備が地下鉄のスペックのため、その基準に合わせた独自車両を名鉄も導入したのです。

 こちらは豊田線・鶴舞線とは違い、カラーリングが最小限に抑えられたステンレス車体。名鉄としては初めてのステンレス車両でもありました。2002(平成14)年に8編成が一斉に製造され、その後増備もなく、現在に至ります。車体サイズなど基本的なスペックは豊田線と同じですが、この300系が豊田線へ導入されたことはありませんでした。製造から20年が経過した現在、豊田線の100系置き換え用には、300系ではなく、新設計の車両が導入される可能性が高いでしょう。

 ちなみに、地下鉄鶴舞線の車両も、1977年開業当時の車両「3000形」がまだ現役です。とはいっても、2012(平成24)年に新型車両「N3000形」の導入によって徐々に置き換えが進み、現在ではわずか1編成しか残っていない「レア車両」となっています。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 名市交3000形は残ってて欲しいな。