機長の初フライト機を整備したのは…なんと父! ANAに実在の「親子コンビ」 その裏側に迫る
お互いの人物像を聞いてみた
「家ではおちゃらけていますが、仕事はバッチリやっている、そんな人です」。息子の斉藤俊介さんは父・俊克さんについてこう話します。「尊敬していますし、誇りです」とも。
整備士としてのお父さんについては、「(仕事中は)もっとカッチリしているのかなと思ったんですが、“締めるところは締める”ものの、結構家にいるときのようにフランクなところもあって。いい意味で、普段と正直あまり変わらないような気がします」と話します。
一方、父の俊克さんは息子のことを「外から見たときは、仕事時と普段にあまり差はないような感じですけど、内には秘めたものを持っていると思います。とくに機長昇格を経て、人を見る目がつくなど成長した気もしますし、成長ぶりが顔に出ていると思います」と話しました。
「小さいときから父が試験に備えて、分厚い本や資料をもって朝から晩まで勉強する姿をたくさん見ていて、安全を担う仕事というのはこうやってできているんだ、と幼いながらに感じていました。そういった姿勢は、現在の私の仕事にも結びついています」(斉藤俊介機長)
「息子は息子で頑張り、私はそれを支える立場でしたが、こんな立派になってくれて感無量です。これからももっと成長してくれるんじゃないでしょうか」(整備士の斉藤俊克さん)
俊介さんが機長を務めたANA401便は、父・俊克さんを始めとするライン整備士などに見送られながら羽田空港を午前7時46分に出発。同便に乗り込んだ73人の乗客のなかには、俊克さん・俊介さんの家族も搭乗し、“斉藤親子”の新たな門出を祝っています。
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Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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