電車の台車やモーターを再利用 小柄な電気機関車 西武E31形が誕生した日-1986.6.13

西武鉄道最後の電気機関車となりました。

台車は国鉄80系電車から

 いまから36年前の1986(昭和61)年6月13日、西武鉄道のE31形電気機関車のE31が西武所沢車輌工場で落成しました。

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大井川鐵道に譲渡されたE31形電気機関車のE34がけん引する「ELかわね路号」(画像:写真AC)。

 E31形は、それまで西武鉄道の貨物輸送などで使用していた舶来の旧型電気機関車を取り替えるために製造されたものです。

 全長は約11mと小柄で、車体の塗装はクリーム色に朱色のライン。当時在籍していたE851形電気機関車を反転させたかのような塗り分けとなっています。

 台車は飯田線で廃車となった国鉄80系電車から、モーターは廃車となった351系から再利用したもので、1987(昭和62)年までに4両が登場しました。

 しかし、西武鉄道では貨物輸送を縮小。E31形はまれにE851形の代わりにセメント列車をけん引することがありましたが、もっぱら新車や他社への譲渡車両、多摩川線車両の輸送や、保線用の工事列車のけん引にを主としていました。

 その後、保線輸送はモーターカーと呼ばれる機械、車両輸送は新101系の改造車で行うことになり、2009(平成21)年にE33号機が廃車。翌2010(平成22)年3月末で残る3両も廃車となりました。それにあわせて同年3月28日にはE31形のさよならイベントが実施されています。

 このようにして西武鉄道最後の電気機関車でもあるE31形は引退となりましたが、トップナンバーのE31は横瀬車両基地で保存。E32・E33・E34の3両は2010年9月に大井川鐵道へ譲渡。整備のうえ、2017年より営業運転を開始しています(E32は2018年から)。

【了】

【写真】懐かしき西武鉄道時代のE31形

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