艦橋は城郭のよう 日本最後の“重”巡洋艦「高雄型」は世界最強の条約型巡洋艦か?

当初は妙高型に分類

 当初、高雄型は妙高型の5~8番艦として建造される予定で、艦籍にもそう書かれていました。しかし、1928(昭和3)年に「妙高」の主砲公試をしたところ、砲弾の散布界が広い欠点が発覚します。

 主砲6門の青葉型と比べ、「妙高」は命中率が悪かったのです。原因は、細長い船体の両端に主砲塔を分散配置したため、発射の衝撃で船体がねじれ、射撃精度が悪化したからだとのこと。そのため、高雄型では前後の主砲塔間隔を8.5m短縮しました。

 このことは主砲弾の散布界縮小にあまり効果がなかったものの、主要防御区画が5.2m短縮されたことにより、弾薬庫と火薬庫の舷側装甲を妙高型の傾斜102mmから、傾斜127mmに増やせ、防御力を向上させることに貢献しています。

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高雄型重巡洋艦の1番艦「高雄」(画像:アメリカ海軍)。

 また艦橋構造物を大型化し、射撃指揮所を四脚構造に改め、その架台も改良しました。これにより、射撃方位盤の左右振動を妙高型の8mmから、ほぼ0に抑え込むことに成功し、射撃精度の向上に寄与しています。

 主砲も妙高型の200mm砲を203mm砲に変更し、貫通力と射程に優れる九一式徹甲弾を撃てるようにした他、最大仰角も70度に上げて対空射撃をできるようにしました。しかし、同じ砲を搭載した空母「赤城」での主砲対空射撃試験は成績不良で終わったため(イギリスもカウンティ級重巡で同じ失敗あり)、4番艦の「摩耶」では仰角を55度に減らしています。

 なお、対航空機用の高角砲(高射砲)は妙高型と同じ12cm高角砲ですが、設計時に主砲による対空射撃が可能になったと判断されたことから、その数は6門から4門へと減らされています。

 水雷兵装は61cm連装魚雷発射管を4基8門搭載しています。妙高型の6基12門と比べると減少していますが、次発装填装置を搭載したことで次の魚雷を装填できるようになったため、戦力減は少ないと考えられていました。

【写真】高雄型重巡の主砲発射シーンほか

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