艦橋は城郭のよう 日本最後の“重”巡洋艦「高雄型」は世界最強の条約型巡洋艦か?

1932年に就役した高雄型は、日本最後の重巡洋艦です。本型の後に造られたのは全て軽巡洋艦でした。ただ、旧日本海軍は本型を極めて重視していたようで、節々にその運用思想を感じ取れます。どのような巡洋艦だったのか見てみます。

完成したら1万トン超えちゃった

 高雄型は、ほかにも妙高型と比べて航空兵装が強化されており、水上機射出用のカタパルトを妙高型の1基から2基へと増強、搭載機数も妙高型の2機から3機へと増やしています。

 ほかにも居住区の拡大や通風能力強化により、乗員の居住性も改善されました。また、高雄型は4隻全てに艦隊旗艦としての設備を備えていました。妙高型は4隻中2隻にしか旗艦設備が設置されていなかったことを鑑みると、本型が重要視されていたことが伺えるでしょう。

 ただ、運用するうえでの様々な要望を盛り込んだ結果、艦橋構造物が巨大化し被弾面積が増加するというデメリットも生じています。これについては、イタリアのプリエーゼ造船中将が「日本は要求を取捨選択できないから、このような巨大な艦橋になるのではないか」と、危惧したほどだったとか。

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高雄型重巡洋艦3番艦「摩耶」の艦首(画像:アメリカ海軍)。

 こうした艦橋構造物の肥大化もあり、高雄型は完成時の基準排水量が1万1350トンと、ワシントン海軍軍縮条約で設けられていた制限1万トンを越えていました。その結果、諸外国からは「高雄型は条約型重巡で全般的に見て最強」としながらも、排水量オーバーを指摘されています。

 ただ、各国の重巡洋艦も、アメリカのポートランド級は1万258トン、ウィチタは1万590トン。ヨーロッパに目を転じると、フランスのシュフラン級は1万1136トン、イタリアのザラ級は1万1680トン、ドイツのアドミラル・ヒッパー級は1万4454トンと、排水量を超過した例が多々ありました。

 なお、イギリスでもケント級は排水量9750トンですが、軍縮条約がまだ有効であった1935(昭和10)年に、舷側装甲の厚さを25mmから114mmへと増やしているため、これにより1万トンを越えていた可能性は否定できません。

【写真】高雄型重巡の主砲発射シーンほか

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コメント

1件のコメント

  1. ケント級は則舷装甲の強化と引き換えに魚雷発射管を降ろしたりしてるので、イギリス海軍は割とマジメに1万トン制限を守ろうとしてたみたいですね

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