ロシア戦車の欠陥? 実は評価の割れる「自動装填装置」 そもそもどういうものなのか

ウクライナ情勢を巡る報道のなかで、ロシア戦車の自動装填装置について語られるのを目にします。そもそも、戦車の自動装填装置とはどのようなものなのでしょうか。そのメリット、デメリットなどを見ていきます。

「ビックリ箱」は自動装填装置の欠陥ではなく運用法の問題か

 さて、冒頭でふれたように最近のニュースでは、ロシア戦車の自動装填装置の脆弱性が指摘されています。砲塔内部に多数の弾薬を円形搭載するため、「ジャベリン」など対戦車兵器のミサイルや砲弾が当たるとすぐに誘爆してビックリ箱のように吹き飛ぶというものです。

 ニュースの報じ方のせいで、普通に聞き流すと、被弾率の高い砲塔上部(砲塔が車体から露出している部分)に円形に弾薬が搭載されているような勘違いをしてしまいますが、前記したように、実はロシア戦車は弾薬を被弾率の低い砲塔下部、車両全体でいうと車体底部に設けています。

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T-72戦車の車内配置。(1)操縦手(2)車長(3)砲手(4)自動装填装置の弾薬庫(画像:Alexpl、CC BY-SA 3.0〈https://bit.ly/3vZxR10〉、via Wikimedia Commons)。

 対して西側戦車のベルトコンベア式の自動装填装置は、被弾率の高い砲塔上部の後方に弾薬庫を設けており、自動装填装置を持たない車両に関しても、同じく砲塔上部後方に弾薬庫を設けている車両がほとんどです。そのため、このタイプの砲塔は弾薬庫が被弾した場合、砲塔上部のパネルが吹き飛んで爆発のエネルギーを上に逃し乗員を守る「ブローオフパネル」が設けられた構造になっています。

 なお、乗員の安全確保を考えるイスラエル軍では、「被弾率の高い砲塔に砲弾を置かない」という方針から、主力戦車の「メルカバ Mk 4」では、車体後部ロータリーマガジンから供給された砲弾を、装填手が装填するという半自動装填式となっています。しかも、仮に誘爆した場合も損害を最小限にしようと、操舵室と戦闘室も分かれているという徹底ぶりです。

 ただ、巧妙に待ち伏せした状態の携行対戦車火器に戦車が弱いのは、第1次世界大戦に戦車が登場し、結束手榴弾で対抗した時代から共通していることなので、特段ロシア戦車の自動装填装置が脆弱というわけではないでしょう。むしろ運用面での問題の方が大きく、西側戦車もロシア戦車と同じ条件ならば、危険性は変わらないかもしれません。

【了】

【画像】人命第一! なイスラエル戦車の他ではちょっと見られないモノ

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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