「身体及び所持品の捜索を受ける」 踏切からして厳重警戒な横田基地の引込線
踏切も米軍基地の一部!?
そして、短い区間とはいえ引込線上には公道と交わる場所があり、そこには踏切が設置されています。ただ、一般的な踏切と比べてとても厳重なものです。
なぜなら、横田基地へと延びる線路用地も、米軍基地の一部とされているからです。踏切から見て線路側はフェンスで塞がれているほか、英語・日本語で書かれた警告看板が至る所に立てられています。
「基地司令官の許可なく此の区域に立ち入ることは法令違反である。当該施設に居る間は,すべての人は身体及び所持品の捜索を受けるかもしれない。不法な立ち入りは, 日本国法律によって罰せられる」
看板の文言からしても、周辺に漂う独特の雰囲気が、否が応にも米軍基地を意識させます。ただ、そうでなくても鉄道用地への立ち入りは違法行為なのですが。
ところで先ほど、貨物列車は「熊川燃料倉庫線の一部を経由」と述べましたが、それは同線の一部がすでに廃線となっているためです。両線は、拝島駅付近から北へと延びている点は同じですが、熊川燃料倉庫線は五日市街道付近から北西へと進路を取っていました。その面影はすでになく、痕跡をたどるのは困難です。
【了】
Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。
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