JALはなぜ“ボーイング一強”になったのか 近年の「脱・ボーイング」は半世紀前の再現?

ダグラス一強のもう一つの理由

 かつてのJALが、ダグラス社の旅客機を多く導入した理由としてもう一つ考えられるのは、ボーイング社、ロッキード社などの名称が、大戦直後の日本の社会においてダーティなイメージがまだ残っており、この感情的な要素に配慮した可能性も考えられるでしょう。

 その昔、ボーイング社と言えばあの「B-29」と同義語で、日本国内を戦禍に陥れた機体として悪名が高かったと言えます。ロッキード社と言えば、おそらく「B-29」ほど悪い意味で一般には知れていなかったとは思いますが、かの山本五十六海軍大将の搭乗機を撃墜したのがP-38で、同社の製品です。

 JALが運航を開始した時代には、ダグラス社の機材を選定することが、整備体制のサポート・市民感情なども含めた処々の事情も踏まえて、最善策だったと考えられます。

 JALはDC-4、DC-6B、DC-7Cと、長距離国際線の輸送機として、ダグラス社の機材を選定したのち、1960年には同社初のジェット旅客機として、DC-8を導入します。

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JAL初のジェット旅客機、ダグラスDC-8「FUJI号」(画像:JAL)。

 こののち、JALが初導入したボーイング機、3発ジェットの「727」は、国内線の主力機材となります。さらに「JAL=ボーイング社」の図式を決定づけたともいえるのが、1970年に導入したボーイング747「ジャンボ・ジェット」です。

 747は当初、DC-8の後を継ぐ国際線主力機として導入されました。同型機の比類なき客席のキャパシティは航空旅行の費用的なハードルを大きく下げ、たちまち押しも押されぬJALの主力機になります。

 とくにJALでは、派生型をふくめ100機以上の747を導入し、国際線はもちろん、国内線でも主力機に。これは、世界でも有数の旅客数を持つ羽田~新千歳線、福岡線などを抱えながら、羽田空港の発着枠にも限りがあり、一度に多くの旅客を運ぶ必要があるという日本特有の事情からです。こういったこともあり、JALは「世界で最も747を発注した航空会社」として知られるようになりました。

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コメント

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1件のコメント

  1. で!
    何が言いたいのか意味不明。
    取材したのか?