山手線に“第二”構想があった! 幻の鉄道、そのルートやダイヤを探る

現在のJR山手線の外周にもうひとつ線路を敷設する――そのような計画が過去にありました。題して「山手急行電鉄線」、通称「第二山手線」です。結局、実現には至りませんでしたが、どのような構想だったのかを探ります。

現在の山手線と比べても「速い」!?

 山手急行線は塹壕の中へ、全線複線電化、最急勾配25‰、最小曲線半径12鎖(約240m)の規格で第三軌条式の線路を敷く計画でした(後に架線式に変更)。第三軌条式とは、レールのすぐ脇に給電用のレールを設けるもので、1927年に浅草~上野間に開業した日本初の地下鉄、東京地下鉄道(現・東京メトロ銀座線)と同じ方式でした。これも山手急行線が最新鋭といった印象を与えたことでしょう。

 国立公文書館で1931年頃に計画されたダイヤグラムを見つけることができました。それによれば、大井町~駒込間(31.2km)に全36駅、各駅停車の電車が10分間隔運行というダイヤになっています。所要時間は1時間5分。これを「山手線」の電車と比べてみましょう。

・東京山手急行電鉄:距離31.2km、36駅、1時間5分

・省線山手線(1927年):距離34.5km、28駅、1時間12分

・JR山手線(2022年):距離34.5km、30駅、1時間6分~10分

 山手急行線は、山手線より距離が約3km短いものの停車駅が8つも多く、それでいて所要時間は山手線よりも短くなっています。高性能電車を走らせるという謳い文句どおりのダイヤです。

 こうした鉄道の建設費用を試算すると、1926(大正15)年当時で3400万円、現在の金額に換算すると約500億円にのぼりました。山手急行は、建設資金捻出のために株式を募集します。資金集めの勝算はあったといい、当時の状況を雑誌『事業と広告』(1928年9月号)では、「帝都の誇りとなれ!東京山手急行」のタイトルのもと、「山手循環線(編注:省線山手線を指す)のラッシュアワーにおける乗客の流れの凄まじさはどうであるか。老若男女の別なく、先を争う人々は他人の足(を踏む)どころか…」と、山手線の大混雑、大盛況を伝えています。

【貴重な資料】東京山手急行電鉄のダイヤ(計画)

【鉄道計画特集】新路線 新駅 連続立体交差事業 次に開業するのはどこ? 過去にあった「幻の新線計画」は?

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