現場が恐れた“危険な電気機関車”EF13形 資材節約しまくった「戦時設計」が長生きしたワケ

「戦争が終わるまで持てばよい」設計とは?

 EF13形は徹底した資材の節約のため、従来の国鉄大型電気機関車が、両端のデッキ状の部分以外は箱型だったのに対し、凸型の特異な形状を持っています。この前後の低くなったボンネット部分にモーターや送風機など主要な機器を設置し、運転席は中央部分に持ってきました。

 当時の機関車は、けっして防水性などに優れていたわけではないので、このボンネット部に雨や雪が入り込み、これが故障の原因になりました。また、パンタグラフも、高速長距離走行には不向きなバネ昇降式のものでした。

 外板は仕上げ加工もしていない粗末なもので、戦時中の写真を見ると表面がデコボコしているのがわかります。

 また、いかにも戦時生産型らしいのが運転室の周りを13mmの防弾鋼板で覆っている点でしょう。防弾鋼板と外板の間には砂を入れて防弾効果をさらに高めました。

 徹底的な省力化は、内部機器にもおよびました。その最大のものが電装系の焼損事故を防ぐための高速遮断器(異常時に電気を遮断して機器を保護する機構)を廃し、それをヒューズで代用したことです。その危険な構造のため、設計者が機関区に軟禁同然で機関士に問い詰められたというエピソードも残っています。

 さらに、資材の節約で軽量になりすぎ、車輪と線路の密着度が低くなってしまいました。それを補うために16.4トンにおよぶコンクリート・ブロックないしはコンクリートで重量を上げる必要がありました。

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EF13形。ボディの両端にボンネットを持つ凸型の車体が特徴(イラスト:樋口隆晴)。

 性能的にはEF12形と同程度とされましたが、当然ながら実際に発揮できた能力はそれ以下でした。とにかく粗悪な作りで、戦時の苛酷な運用現場からは悪評が続出し、「木とセメントで作った機関車」とまで言われました。

 この機関車に関して、当時の伝説めいたエピソードが残っています。終戦の前年の1944(昭和19)年秋、東條英機首相兼陸相兼参謀総長が戦時生産型のこの電気機関車を見学した際、「寿命はどのくらいか」と聞いたところ、設計者が「大東亜戦争に勝ち抜くまで持ちます」と言ったといいます。東條内閣はすでに夏に総辞職していましたから「伝説めいたエピソード」なのですが、ともあれ、果たして設計者は、終戦がいつごろになると見積もっていたのでしょうか。

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コメント

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2件のコメント

  1. 日本版クロコダイル、て感じで結構好きなデザインなんだけどな
    KATOから58ボディを乗っけた改良版は出てるんだが、旧版も出してほしいね

  2. 読んでる最中にフィッシングに飛びます。