“山手線”に残る2つの「開かずの踏切」遠い解消 打つ手なし? さらに深刻化の可能性も

深刻の度合いが増している「開かずの踏切」

 もともと貨物線であるため両踏切を通過する列車は少なかったものの、1990年代以降、埼京線の運転区間が新宿から恵比寿、大崎へと延伸、そして湘南新宿ラインの列車が通り、さらに2019年からは相鉄線との直通列車も加わったことで、いよいよ「開かず」の深刻さが増したといわれます。

 地元の渋谷区は1990年代から、この状況を見越して都や国へ線路の地下化など要望してきました。しかし2022年現在も立体交差は実現せず、歩行者が横断できる自由通路の設置などについても、「周辺の地形など物理的な制約から実現性が低く、有効な対策が見出せていない状況にあります」とのこと。

 両踏切のあいだは100mほどですが、ここで中央線が山手貨物線を跨いでいるため、貨物線の高架化はまず不可能。その南側で山手貨物線は築堤に上がり、4車線道路をまたぎますが、その間、線路の地下を都営大江戸線が横切っており、貨物線の地下化にも困難が伴うと考えられます。

 では歩行者用の自由通路だけでも設けられないかというと、踏切は山手線のガードに隣接しているため、これを高架で設けることも難しそうです。かといって、山手線の西側と明治通りを結ぶ重要路であるため、通行止めにすれば地元の反発は必至です。

 なお、踏切のすぐそばまで建物が密集していることもあり、両道路とも改良の計画はないそうです。

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代々木駅付近の厩道踏切。開かずの踏切と化している(乗りものニュース編集部撮影)。

 2021年12月には、厩道踏切を渡ったトレーラーが狭いカーブを曲がりきれず立ち往生し、長時間にわたり線路をふさぐ事態も発生しましたが、今後、同様の事故が増えるかもしれません。

 というのも、厩道踏切を抜けた先で、明治通りのバイパスとなる新しい道路(環状5号線)が造られているためです。地図を見る限り、厩道踏切の道は、山手線の西側から明治通り、池袋方面へ向かう抜け道になる可能性があります。

【了】

【地図】「山手線」に残る2つの開かずの踏切

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コメント

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5件のコメント

  1. JR東も都もこういう所にこそ資金投入すべきでは?
    将来のワンマン運転に備える意味でも重要。
    蛇窪とかやる気ゼロだし、ダイヤ乱れると遅延長引く原因になっている。羽田へ繋ぐ迄には整備必要だと思う。

  2. 踏切を廃止してすぐ近くの道に回ってもらえばいい。代々木駅に東西自由通路を作れば歩行したも200mも回り道をすればいいだけの話である。何キロも道がない田舎と一緒してはいけない。

  3. 改良ついでに首都高の支線をここに作ってくれないかなあ
    バスタ新宿直結のやつがあればバスの出入りすごく楽になる

  4. こんにちは、

  5. 山手線の踏みきり、これから、
    なくなるのでしょかねっ、