「また『ホヌ』で飛べる!」 ANA巨大機「A380」24か月ぶり復活 パイロット&CAに聞く一大フライトの裏側
「復活初便」運航してみてどうでした?
乗員それぞれが特別な気持ちで迎えたともいえる、ANA「フライングホヌ」の復活フライト。それぞれの立場からのフライトの感想を、同便のパイロットとCAは次のように話します。
「離陸の時、加速の弱さと共に離陸まで走る距離がずいぶん長く感じました。もちろん、離陸のための推力は充分確保しているのですが、機体が重いために遊覧飛行など国内のフライトとは動きが異なるのです。『この感じ久しぶり!』と国際線仕様の操縦を楽しんでいました。そしてフライトが終わった後も、今月また『ホヌ』でのフライトがあるという感覚が何よりも嬉しいですね」(古川 理機長)
「自分はMFF(他機種での兼乗制度。迎機長はこの制度でA320シリーズの乗務も担当)で実運航から遠ざかっているという感覚はありませんので、特に緊張することなくフライトを迎える事が出来ました。ただ、セレモニーでANAファンの方々に直に接し、あたたかい言葉を頂きました。今回のフライトは一つのマイルストーンではありますが、今後もANAのフライトは続いていきます。フライトを通じて得られたANAファンの熱い思いをしっかりと胸に落とし込み、真摯に業務に向き合っていきたいと思います」(迎 圭一機長)
「お客様からも『コロナが始まってから初めての旅行だった』という声もいただきましたし、出発前に機外で手を振っている係員を見て、涙ぐまれているお客様もいらっしゃって、お客様の期待感を感じました。機内ではコロナ禍ということもあり衛生を気にされている方が多いと考えていたので、お手洗いのこまめな清掃や、座席周りのゴミ回収などを積極的に行いました」(客室担当の千代 希さん)
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古川機長は、搭乗した乗客に向けても、次のようなメッセージを発しました。
「『フライングホヌ』は客室も広く、着替えや授乳などが出来る独立した部屋などもあります。エンジンの振動も少なく機内が静かなので、お客様には到着までゆったりお過ごしいただける飛行機だと思います。我々が責任を持って安心と信頼の運航をお届けしますので、『ハワイに行くならフライングホヌだね』と思っていただけると最高に嬉しいですね」。
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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