JALも検討ボーイング767後継問題 エアバス「A321XLR」あり得る? 「単通路で国際線」が候補に入る理由
JALも検討を進める「ボーイング767の後継旅客機問題」。そのひとつとして、このほど初飛行したエアバス社の長距離向け単通路旅客機「A321XLR」はあり得るのでしょうか。あらゆる意味で特殊な新型機が、767の後継となる可能性を探ります。
35年近く767を使ってきたJALが…
ロイター通信などが2022年6月、JAL(日本航空)が双発ジェット旅客機「ボーイング767」の後継機種を2年以内に決定する方針であることを報じました。同社の主力機として、実に35年以上も一線で使われてきた機種です。
その後継には、ボーイング787のほか、エアバス社の「A321neo」などが候補に挙がっていますが、現段階で確定的な方針は打ち出されていません。では、6月に初飛行したA321neoの派生型「A321XLR」はどうでしょうか。
A321XLRは単通路機(客室内を貫通する通路が1本)で、複通路機の767よりも、一つ下のキャパシティのモデルとなります。客席は、767シリーズでJALが用いる「767-300ER」は 3クラス制で218席、1クラスでは最大350席なのに対し、A321XLRは180~220席となっています。
そもそもA321XLRはA321neoの超長距離タイプという位置づけで、その航続距離は約8700km。エアバス社はこの機を「単通路型で最長」とアピールしています。ただ、航続距離は767-300ERの方が長く、その数値は1万1065kmです。
となると、A321XLRは、世間一般的にはどちらかというと、767の単通路バージョンの姉妹機「757」の後継に近い立ち位置といえそうです。ただ、この機は2004年に生産終了しています。一方、当初は767クラスとして開発が始まった787は、標準型の787-8が242席で、航続距離は1万3620kmと、767-300ERより長い距離を飛べる一方で、座席数はほぼ同じ、もしくは下回っています(スペックは各メーカー準拠)。
たとえばJALにおいて、767は、国内線~中・長距離国際線に使われることが多いなど、その“ちょうど良さ”からいぶし銀の活躍をしてきました。また、複通路機ではあるものの、横配置は2-3-2列が基本。中間席にあたる可能性が低いことから、「乗客想いの旅客機」としても知られています。
これに対し、A321XLRをはじめとするA321シリーズなどの単通路機では、767が担当してきたような8時間程度の国際線フライトで、快適性が低下してしまうのではと心配する声があるのも事実です。
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