ポーランドなぜいま韓国戦車を爆買い? その数実に1000両 大型契約締結の背景に何が

ポーランドがK-2導入に至った決め手は…?

 ポーランドとしては、隣国で戦争が起こり自国から戦車を4分の1も供与している状態では、とてもEMBTの完成まで待てません。そこですぐ手に入る新車として目を付けたのが、韓国のK-2戦車です。発注数の8割以上を国内生産できるという条件も、産業振興という点で魅力的だったようです。将来はEMBTが本命のようであるものの、ドイツとフランスの兵器共同開発は失敗に終わった例も多く、計画が頓挫した時のリスクヘッジとも考えているようです。

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ポーランドが将来主力戦車として期待する独仏共同開発のEMBTだが、完成品を取得するまでには時間がかかる(画像:KNDS)。

 K-2はヨーロッパで採用された、最初のアジア製の主力戦車となりました。韓国は欧州兵器市場に着実に足場を固めつつあります。6月に開催された「ユーロサトリ2022」には韓国メーカー数社が出展し、将来戦車のコンセプトモデルを展示し、K-9自走砲などのセールスを行って存在感を示しました。営業施策もユーザーのニーズに応じたオプションを用意し、現地生産など技術移転にも積極的です。

 ヨーロッパの戦車地図はロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとして、韓国やポーランドといった新しいキープレイヤーが登場し、変化する兆しを見せています。イギリスは戦車生産ラインを閉鎖しており、ロシアは戦争の結果に関わらず影響力が後退することは間違いありません。アメリカは次世代戦闘車輌(NGCV)や次世代主力戦車(NGMBT)を開発していますが、順調には見えません。ドイツ/フランスのEMBTもまだどうなるかわかりません。

 先にも述べたように、兵器体系は一旦、導入すると簡単にはリプレースできず、需給両国にとって長く継続するストックビジネスになります。チェコやハンガリーなどT-72のリプレース潜在顧客もあり、国際兵器ビジネスの本拠地ヨーロッパにアジアの国がストックビジネスの橋頭保を築いたのは、国際政治経済的にも大きな出来事です。

【了】

【画像】ヒュンダイ・ロテムが公表したポーランド仕様K-2PL戦車のイメージ

Writer: 月刊PANZER編集部

1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

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2件のコメント

  1. Kの法則が発動しない事を祈ります。(K国と関わると、相手の国が大ダメージを喰らいます。K国は無傷かかすり傷。)

  2. 世界の認識はもう、韓国製≫日本製だから