踏切横の大きな「コスプレ地蔵」のナゾ 交通量は少ないが…「事故があった」だけでない?

お地蔵さんがあることによって生み出される効果

 先述の通り、同踏切は見通しもよく、鉄道を含めそもそもの交通量は多くありません。しかし、踏切事故の原因は、ほぼすべてがクルマや歩行者の過失によるもの。このような踏切ほど警戒心が緩み、義務付けられている踏切直前の一時停止を怠ったり、強引に通り抜けようとしたりしがちです。

 お地蔵さんを置くことで、通行者に対し「かつて事故があったのかも……」と思わせ、今一度 安全確認することの大切さを訴えかけているのかもしれません。

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平岡踏切(小川裕夫撮影)。

 事故が起きた踏切すべてにお地蔵さんが安置されているわけではないでしょうが、場所によっては祠などが安置されている光景も目にします。それらからは、地元の住民が丁寧に維持管理している様子がうかがえます。これは平岡踏切のお地蔵さんも例外ではないようです。

 なぜなら時期によって衣替えをしているから。筆者が訪問した際は、工事作業員が身につけるヘルメットと安全チョッキを着用していましたが、交通安全のタスキをかけている時もあるようです。

【了】

【写真】踏切の傍らに鎮座する大きなお地蔵さん

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Writer: 小川裕夫(フリーランスライター・カメラマン)

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。官邸で実施される首相会見には、唯一のフリーランスカメラマンとしても参加。著書『踏切天国』(秀和システム)、『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)、『東京王』(ぶんか社)、『私鉄特急の謎』(イースト新書Q)など。

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