「部材多すぎて大変!」どう対策? 首都高の「ハイテク橋梁点検」 迎え撃つ“大劣化時代”

建設から半世紀近くが経つ、首都高湾岸線の荒川湾岸橋。部材の多いトラス橋であることから点検も大変で、現場では様々な技術で効率化を図ろうとしています。

古い橋梁は点検も大変

 開通から半世紀以上を経た首都高。各地で老朽化が顕著になっていますが、荒川河口部にかかる、湾岸線の「荒川湾岸橋」も例外ではありません。

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首都高湾岸線の橋桁下部の検査路(乗りものニュース編集部撮影)。

 この橋は1975(昭和50)年に桁が架設されてから47年が経過。鋼桁トラス構造と箱桁を組み合わせた構造ですが、海に近く塩分の影響を受けること、大きな交通荷重を受け続けることから、塗装が剥離し錆が進行するなどの損傷があちこちで見られるようになっています。ボルトが脱落していたり、桁部材をつなぐプレートが破断しているのが見つかるなど、応急対応に追われている状況です。

 区画によっては腐食の進行を抑えるため再塗装が実施済みですが、多くの鉄骨を組み合わせてつくった華麗なトラス橋ゆえに、構成部材が膨大な数に上ります。このため、まだまだ「どこが傷んできているのか」という全貌の把握すら完全ではない状況です。

 こうした現場環境のなかで橋梁の状態をしっかり把握するには、緻密な点検と、こまめな点検の両方を行っていく必要があるものの、それには人的な制約があります。それを克服するために最新の点検技術を導入した現場を見てきました。

【最新機器による「荒川湾岸橋」の点検の様子】

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