「部材多すぎて大変!」どう対策? 首都高の「ハイテク橋梁点検」 迎え撃つ“大劣化時代”

建設から半世紀近くが経つ、首都高湾岸線の荒川湾岸橋。部材の多いトラス橋であることから点検も大変で、現場では様々な技術で効率化を図ろうとしています。

「隅から隅まで、より気軽にできる」橋梁点検を実現する「ガジェット」たち

 まずは「点検用ロボット」です。これは跨座式モノレールと同じ仕組みで、桁の上を進むものです。頭に360度カメラがついており、桁継ぎ目内部や奥まった部分の全景を撮影することができます。置けば先まで進んでくれるシンプルなすぐれものですが、傾斜がついているとダメという欠点があり、今後の課題だとか。

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荒川湾岸橋の点検で活躍する「点検用ロボット」(乗りものニュース編集部撮影)。

 2つ目は、道路保全の現場ではもはやお馴染みとなった「点検用ドローン」。点検路からみえづらい、橋の外側の桁側面にもアプローチが可能で、走行路下の空間へも近づくことができます。ドローンを扱える技術者は5人いて、それぞれ国土交通省の技能認定を受けているとのことです。

 3つ目は「昇降式全方位カメラ」。といっても実際には、小型カメラを上からワイヤーでぶら下げるだけです。しかし、やはりこのカメラも360度撮影が可能で、人が近づきにくい海面近くの桁の目の前へもアクセスが可能となります。

 これまでは、トラス内に渡された点検路を歩くか、ボートや隣の橋などから目視で点検するしか方法がありませんでした。トラス橋ということでとにかく部材が多く、死角も無数にあります。それら死角の点検は、ワイヤーロープで人がぶら下がって、見に行くしかありませんでした。時間も人件費も膨大になるこの作業が、上記の3つを駆使することで「人が行かなくても点検ができる」態勢になり、時間的には20倍にも効率化することができたといいます。

 あわせて首都高では、点検体制に徹底的な「DX」(電子化による効率向上)を打ち出しています。点検データは「紙の帳簿」からすべて電子データベース化。それにより過去の状況を瞬時に引き出すことが可能となり、現場での記録もマイクからの音声認識で行えるようになっています。さらにレーザーによる構造物スキャンで、状況を精確にデータベース化し、損傷状況もオフィス内で分析できる形が作り上げられています。

【最新機器による「荒川湾岸橋」の点検の様子】

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