日野の不正は防衛省にも影響か? 自衛隊に問題のエンジン車が多数 どうするか聞いた

日野自動車が製造を請け負う陸上自衛隊の高機動車。そのコンポーネントは兄弟車の1 1/2tトラックにも流用されています。不正が発覚したエンジンを搭載するこれら車種についてどう対応するのか、自衛隊に聞いてみました。

高機動車の兄弟車「1 1/2tトラック」も日野製

 その一方、2000年代初頭からは高機動車とコンポーネントを共用する1 1/2tトラックの導入もスタートしています。同車は従来「73式中型トラック」と呼ばれていた4WDタイプのキャブオーバー型トラックで、当初は高機動車で置き換えられ姿を消すといわれたこともありましたが、高機動車以上に広い荷台を持ち使い勝手も相応に優れていたことから、高機動車とコンポーネントを共用する形で新型が開発され、調達が継続されました。

 同車もまた「中型トラック」「1t半」といった愛称で、全国の部隊に広く配備されており、高機動車と同様に日野自動車が製造し、親会社であるトヨタ自動車が防衛省に納入しています。

 前述したように高機動車とコンポーネントを共用しているため、やはり今回の燃費試験や認証試験における不正が発覚した日野自動車製N04Cエンジンを搭載しています。

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高機動車とコンポーネントを共用する陸上自衛隊の1 1/2tトラック(武若雅哉撮影)。

 そこで気になるのが、今回の一件で、防衛省がこれらN04Cエンジン搭載の該当車両に関して、新規調達や現有車両をどうするかについてです。そこで、陸上幕僚監部広報室に話を聞いたところ、陸上自衛隊としては「特に問題視していない」との回答でした。

 それ以上の詳しい回答はもらえなかったものの、陸上自衛隊として問題視していないというのであれば現有車両の運用を停止することはしないということなのでしょう。すなわち、陸上自衛隊は現状通りのまま高機動車と1 1/2tトラックを使い続けるということです。

 国土交通省からリコールが出れば、随時対応するでしょうが、そのような動きがない限り、実害が伴わなければ静観という形のようです。

 ちなみに、高機動車の民生仕様であるトヨタ「メガクルーザー」も航空自衛隊や海上自衛隊で使用されていますが、同車は全てトヨタ15Bエンジン搭載であり、日野自動車製N04C搭載モデルは存在しないため、こちらは問題なさそうです。

【了】

【エンジンルーム内部も】高機動車、1t半トラック、空自メガクルーザーをイッキ見

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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