日野の不正は防衛省にも影響か? 自衛隊に問題のエンジン車が多数 どうするか聞いた

日野自動車が製造を請け負う陸上自衛隊の高機動車。そのコンポーネントは兄弟車の1 1/2tトラックにも流用されています。不正が発覚したエンジンを搭載するこれら車種についてどう対応するのか、自衛隊に聞いてみました。

トヨタが納入、だけど製造は日野の陸自車両

 日野自動車は2022年8月22日(月)、一連のエンジン認証に関する不正事案の検査において、追加の不正行為が判明したことを明らかにしました。今回の不正内容はエンジンの排出ガスや燃費データの改ざんで、その影響から同社は主力トラックである「日野デュトロ」の出荷を停止しました。

 この不正の波紋は防衛省にも到達しています。実は陸上自衛隊などが運用する高機動車や1 1/2tトラックも、今回不正があった「N04C」シリーズのエンジンを搭載しているのです。自衛隊車両にも影響があるのか、防衛省に直接聞いてみました。

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120mm迫撃砲を牽引した状態の高機動車。この迫撃砲牽引仕様は「重迫牽引車」と呼ばれ、後部座席の床に弾薬箱の固定金具などが設けられている(武若雅哉撮影)。

 そもそも、高機動車とは主に陸上自衛隊の普通科連隊などに配備されている4WDタイプの汎用車両です。1990年代前半から運用が始まっており、日本全国の部隊で数多く使用されているため、公道などでも比較的よく目にする割とポピュラーな自衛隊車両といえるでしょう。

 開発・納入はトヨタ自動車ですが、製造はグループ会社の日野自動車が担っています。初期型はトヨタ製のエンジンを積んでいましたが、2005年ころより納入されている車体は日野自動社製のN04Cエンジン搭載モデルになっており、2022年現在はこちらの方が主流になっています。

 また基本タイプの幌仕様(汎用モデル)のほかにも、車体後部の広い積載スペースを活かして、ピックアップトラックのようにしたタイプも多数納入されています。それらは対空ミサイルや対戦車ミサイルの発射機などを積んだり、通信用シェルターなどを載せたりと、幅広い用途に使われています。

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