台湾なぜフランス製戦闘機を? 互換性なき戦闘機が共存する事情 戦闘機の1世代差は乗り手の腕次第で何とかなる!?

台湾空軍は、歴史的にアメリカ製の戦闘機を代々導入してきましたが、なぜかかつて「ミラージュ2000」というフランス製戦闘機を導入したことがあります。そうなった経緯と、台湾空軍が現在、力を入れている分野についてひも解きます。

太平洋方面からも侵攻可能なことを示した中国

 2022年6月23日、フランス空軍は、1984(昭和59)年の配備開始から約40年にわたって運用してきた「ミラージュ2000C」戦闘機を全機退役させました。もっとも、これは「ミラージュ2000」シリーズの初期型であり、改修型の「ミラージュ2000-5F」や戦闘爆撃機型の「ミラージュ2000D」は、今後も運用が続けられます。

 同機はインドやギリシャ、ブラジルなどにも輸出されていますが、実は日本の「お隣さん」、台湾(中華民国)でも採用されています。そこで、意外と独自性の強い台湾空軍について見てみましょう。

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台湾空軍の「ミラージュ2000」戦闘機(画像:台湾空軍)。

 2022年8月2日から3日にかけて、アメリカ下院議長のナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問しました。この事態に、かねてよりアメリカと台湾の連携強化を政治的に阻止してきた中国(中華人民共和国)は、示威行動として同氏が台湾を離れた直後の8月4日から7日にかけて、その周辺海域において大規模な軍事演習を実施しています。

 台湾を包囲するように行われたこの演習が意味するところは、台湾海峡正面からの侵攻に加えて、台湾海峡とは反対側の南シナ海(太平洋)側からも同国に侵攻できることを示すとともに、同国を空と海で封鎖し、いわゆる「兵糧攻め」にもできるということを示唆したものといえるでしょう。

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コメント

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4件のコメント

  1. 生産国、開発国の異なる機体や、同一目的でも互換性のない異なる機体を、配備するのは生産国や開発国と関係が悪化して部品の供給が止められて、飛行不能な機体がでたり、一機種のみの配備で、その機体に構造的欠陥等が発見されて、全機飛行不能に陥るのを防いだり、導入時に競争させてなるだけ良い条件で契約をむすぶための実績作りだったりする。あと、同じ開発国、メーカーでも機種が異なれば、整備方法、道具、部品が異なる場合も多いので、実際の運用を考えたら、同じ開発国やメーカーに拘る必要性は低いと思うけど。

  2. 台湾の防衛に必要なのは、AWACSのような警戒管制機では?第4世代機と第5世代機の差を埋めるのは、パイロット個人の力量より俯瞰して戦域を把握出来る能力でしょう。
    中共機のステルス能力が、対地上レーダーなのか対敵戦闘機なのかを考えることは必要です。しかしどちらにしても高空からレーダー哨戒を行う警戒管制機が、現時点の第5世代機の弱点であるのはほぼ確定でしょう。むしろ警戒管制機が無ければ、第5世代機が敵を自力で発見するのは困難です。

  3. 台湾が、フランス製導入したのは、一ヶ国に頼ると部品の供給がとか懸念してではなく、米国がF-16を供与せず、ダウングレードのF-16/79を提案してきたりでしたので、やむ得ず、国産の経国やミラージュを導入したという面が大きいですね。
    フランスと米国では、フライトスーツからヘルメット、搭載兵器まで全く異なるので、整備や補給面でマイナスの方が大きいです。

    あと台湾は、早期警戒機としてE-2Cの台湾向けバージョンであるE-2Tを導入してます。

  4. 台湾のフランス製導入はラファイエット級フリゲートに続いて二例目か?