台湾なぜフランス製戦闘機を? 互換性なき戦闘機が共存する事情 戦闘機の1世代差は乗り手の腕次第で何とかなる!?

アメリカ製の導入が難しいなら、フランス製というスタンス

 四周を海に囲まれた台湾は、日本と同様に「海の大動脈」たるシー・レーン(戦略的に重要な海上交通路)の防衛と敵の上陸阻止が最重要であることから、空軍力と海軍力に軸足を置いた防衛力整備が不可欠です。

 特に空軍に関しては、昨今、増加の一途を辿っている中国空軍(中国人民解放軍空軍)の領空侵犯への対応も必須で、台湾の国防上、最重要の軍種といっても過言ではないでしょう。

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台湾空軍のF-16「ファイティング・ファルコン」戦闘機(画像:台湾空軍)。

 かつてアメリカは中国との関係から、台湾への武器輸出を制限していた時期がありました。そのようななか、同国空軍は1990年頃に有力なF-16「ファイティング・ファルコン」戦闘機の購入を希望しましたが、当初、アメリカはそれを認めませんでした。そこで台湾は、F-16同様に運動性能に優れた「ミラージュ2000」を、フランスから導入したのです。このような台湾の政治的動きを見て、のちにアメリカもF-16を台湾へ輸出することを認めています。

 現在、台湾空軍が運用する「ミラージュ2000」、F-16「ファイティング・ファルコン」、そして台湾国産開発の「経国」は、いずれも第4世代戦闘機ですが、中国は第5世代戦闘機の「殲-20」を保有しています。このため、性能的な面で台湾空軍は中国空軍に対して不利になると考えられますが、これにはもうひとつの大きな要素が絡みます。それは「パイロットの練度」です。

【台湾オリジナル戦闘機「経国」って?】台湾空軍の主力戦闘機をイッキ見

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コメント

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4件のコメント

  1. 生産国、開発国の異なる機体や、同一目的でも互換性のない異なる機体を、配備するのは生産国や開発国と関係が悪化して部品の供給が止められて、飛行不能な機体がでたり、一機種のみの配備で、その機体に構造的欠陥等が発見されて、全機飛行不能に陥るのを防いだり、導入時に競争させてなるだけ良い条件で契約をむすぶための実績作りだったりする。あと、同じ開発国、メーカーでも機種が異なれば、整備方法、道具、部品が異なる場合も多いので、実際の運用を考えたら、同じ開発国やメーカーに拘る必要性は低いと思うけど。

  2. 台湾の防衛に必要なのは、AWACSのような警戒管制機では?第4世代機と第5世代機の差を埋めるのは、パイロット個人の力量より俯瞰して戦域を把握出来る能力でしょう。
    中共機のステルス能力が、対地上レーダーなのか対敵戦闘機なのかを考えることは必要です。しかしどちらにしても高空からレーダー哨戒を行う警戒管制機が、現時点の第5世代機の弱点であるのはほぼ確定でしょう。むしろ警戒管制機が無ければ、第5世代機が敵を自力で発見するのは困難です。

  3. 台湾が、フランス製導入したのは、一ヶ国に頼ると部品の供給がとか懸念してではなく、米国がF-16を供与せず、ダウングレードのF-16/79を提案してきたりでしたので、やむ得ず、国産の経国やミラージュを導入したという面が大きいですね。
    フランスと米国では、フライトスーツからヘルメット、搭載兵器まで全く異なるので、整備や補給面でマイナスの方が大きいです。

    あと台湾は、早期警戒機としてE-2Cの台湾向けバージョンであるE-2Tを導入してます。

  4. 台湾のフランス製導入はラファイエット級フリゲートに続いて二例目か?