「路線バス」が変わっていく 地域まるごと廃止 別の交通に転換 鉄道と手を組む… 進む再編

鉄道・バスなどの交通機関が厳しい状況に置かれる中で、バス会社どうしの共同運行化や車両の変更、予約制の導入などが見られるようになってきました。各地の動きを見てみましょう。

〈パターン1〉競争から競合へ!昨日の敵と手を組む?

●とりあえず競合ストップ!

長崎バス・長崎県営バス:2022年4月1日、共同経営体制に移行、路線再編。

 長崎市内およそ120kmのバス路線のうち、長崎バスと長崎県交通局(長崎県営バス)で約7割が競合し、そのネットワークはあまり効率的とは言えません。2012年には東長崎・日見地区の県営バスエリアに長崎バスが進出、その2年後には長崎バスのエリアである滑石・女の都に県営バスが進出するなどしました。現在では、これらエリアでの赤字が2者で単年5億円近くまで膨らんでいます。

 そこで長崎バスと県営バスは2022年4月、民営・公営の組み合わせとして初めての共同経営化を実施。東長崎・日見地区は県営バスに、滑石・女の都地区は長崎バスに運行を集約し、地区によっては2~3割程度の減便も行われました。10月には県営バスの4路線をコミュニティバスに転換(引き続き県営バスが運行)の上で短縮、郊外の路線と中心部へ向かう路線の乗り継ぎを行う体制とし、本数の削減を図ります。なお「nimoca」ポイント還元による乗り継ぎ割引を予定しているとのことです。

 競合や重複状態の解消を目指す共同経営化のきっかけとなったのが、コロナ禍の影響です。特に県営バスは、空港連絡バスの乗客が8割以上減少したほか、高速バス路線も軒並み減収となるなど、収益の柱を絶たれていたのです。

 長崎県は、十八銀行・親和銀行の統合が独占禁止法に阻まれている間に、両行とも疲弊してしまった、という苦い経験があります(2020年に統合、「十八親和銀行」に)。坂が多く道路網も複雑な長崎の街ではバス利用者の多さも目立ちますが、市内中心部で市電も通る新浦上街道に往復3000本以上のバスが集中するなど、交通網の効率化の余地はまだありそうです。

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長崎県営バスターミナル前。この通りは長崎バス、県営バスともに路線が重複し、本数が多い(宮武和多哉撮影)。

●全国初! 鉄道・高速バスが手を組んだ

JR四国「牟岐線」・徳島バス「エディ号」:2022年3月、共同経営体制に移行

 JR牟岐線と高速バス「エディ号」(室戸・生見・阿南大阪線)が並行する徳島県阿南市から海陽町までの区間で、並行する鉄道・バスどうしの相互利用が可能に。同時にJR阿南駅で鉄道・バスが接続できるようダイヤ改正が行われました。多量輸送が必要とされる朝晩は鉄道、日中は高速バスという棲み分けが、少しの工夫で可能だったといえます。

 鉄道とバスとで運賃も平準化される阿南駅~浅川駅間では、鉄道が1日10往復、高速バスが1日4往復。沿線では高校の再編により海陽町から阿南市内の高校への通学も生じていますが、高速バスはその通学時間に合った便がありませんでした。鉄道にとっては閑散とした日中の運行をバスに任せることができ、高速バスも阿南以南で空席が目立ち、対策を迫られていたので、この連携は両社にメリットのあるものとなりました。

【こちらも再編?】消えゆく昭和のバスターミナル(写真)

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