異形のNASA機がなぜ三沢へ 世界たった3機の「WB-57」奇跡の飛来 生まれも用途も激レアすぎ!
シークレットゲスト的存在だったNASAの観測機
そもそも「キャンベラ」爆撃機は、高速で高高度を飛行する戦術爆撃機として設計された機体で、改良型のB-57Bは近接航空支援機として、さらには偵察・電子戦機としてRB-57A/Dという機体なども登場しています。RB-57Aは戦術用の写真偵察機型として生まれたため、用途がハッキリしていた一方、RB-57Dは戦略偵察機として誕生したことから、その運用方法は当時、ほとんど知られていない「ナゾ機」でした。なお、後者はその後、より機密のヴェールに包まれたU-2偵察機やSR-71超音速・高高度戦略偵察機へと置き換えられていきました。
15種類以上も派生型が造られたB-57「キャンベラ」ですが、今回三沢に飛来したのは前出したようにNASAが運用するWB-57Fというタイプです。高高度を飛行し天文観測や大気の観測などの研究プログラム飛行を行う一方で、高高度を飛行することで戦場における通信機器の中継基地としての役割も持っているとか。
実際に、2013(平成25)年までは保有していた2機をアフガニスタンへ交互に派遣していましたが、さらにもう1機必要とのことで、40年以上に渡りアメリカ本土のアリゾナ州デイビス・モンサン空軍基地で保管されていた1機を追加で配備、現在は3機体制へと運用方法を変更しています。
なお今回、三沢に来た1機は926号機であることから、アフガニスタンなどへ派遣経験がある機体であるということが判明しています。
コメント