マッハ3で天空ズキューン! どうやって? XB-70「ヴァルキリー」飛んだら人類最後とは

「サーファーが波に乗るように衝撃波に乗る」って?

 しかし、XB-70は見た目だけでなく、使われている技術や設計的にも注目すべき部分が多いといえます。エンジンはゼネラル・エレクトリック社製のYJ93ターボジェットエンジンを用いていました。

これはマッハ3で飛行するXB-70用のエンジン(同じエンジンを使った護衛戦闘機XF-108「レイピア」も計画)として新たに開発されたもので、生み出す推力と自重の比率を表す、いわゆる推力重量比は5:1にもなる高出力エンジンでした。

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XB-70のパワープラントであるゼネラル・エレクトリック社製の YJ93 ターボジェットエンジン(布留川 司撮影)。

 マッハ3の超音速飛行時には、機体表面は大気の断熱圧縮で高温となるため、当時の航空機の外皮素材として定番だったアルミニウム系合金は熱問題で使えず、より耐熱性に優れたステンレス系合金を使ったハニカム構造を用いています。機首部分のコックピットの前方窓も熱対策として、超音速飛行比には前部のカバーがせり上がって覆うようになっています。

 またXB-70は、マッハ3を実現するために、コンプレッション・リフト(圧縮揚力)という効果も利用されています。これは超音速飛行時に自分の機体が生み出した衝撃波を揚力として利用するというもの。具体的には、機体下部に設けられた楔型の突起が超音速飛行時に衝撃波を発生、それを翼下部で受けることで揚力が生まれる仕組みでした。

NASA(北米航空宇宙局)の解説文から引用すると「サーファーが波に乗るのと同じように、自身(XB-70)の衝撃波に「乗る」ように設計」したとのことです。

【見たことある?】XB-70のコックピット内部&空気取り入れ口ほか

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コメント

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1件のコメント

  1. なにが人類最後だったのかはっきり分からんかった。もっと最初に分かりすく説明しろ。見出し詐欺師