関越道や東北道「使われていないバス停だらけ」のナゼ 東名や中央道はフル稼働なのに

関越道や東北道「使われるようになったバス停」とは?

 道路を整備した側の期待と裏腹に、徐々に存在感を薄めた本線停留所ですが、1990年代になると、主に地方部で息を吹き返します。

 この時代、自家用車が「一家に1台」から「一人に1台」時代を迎え、地方部は完全にクルマ社会になりました。地方の人が大都市や地方中核都市へ出張やショッピングなどで出かける際、郊外にある本線停留所は道路環境がよいためアクセスしやすく、便利だったのです。自治体やバス事業者が駐車場を整備し「パーク&ライド」が定着した停留所もたくさんあります。

 一方の大都市郊外では、中央道日野(東京都日野市)、明石海峡大橋上の高速舞子(神戸市)など鉄道駅から徒歩圏内にある停留所が、鉄道との乗り換えに活用されるようになりました。

 そうしたなか、長年「管理用施設」だったのに、近年になり停留所として改めて整備されたケースも生まれました。

 埼玉県川越市では周辺の人口増加に伴い、JR川越線的場駅から徒歩圏内だった「管理用施設」が川越的場停留所として使用開始されました。これは、関越道で多数の路線を運行する西武バスらが関係者と調整を進め実現したものです。

 また、2019年に開設された東北道の矢崎泉崎バスストップ(福島県矢吹町)のように、自治体らが積極的にバックアップし使用が始まった停留所もあります。

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東名秦野バス停。路線バスと乗り継ぎが可能(成定竜一撮影)。

 さらに、本線上の停留所にバスは停車しているものの利用実績が多くなかった停留所でも、利用が増えるよう自治体がサポートする例もあります。東名大和(神奈川県大和市)は、小田急江ノ島線の線路のすぐ近くに立地しますが、そこに駅はありません。そこで、コミュニティバス「やまとんGO」が同停留所真下の一般道に停車します。狭い道路にも路線を引くことができるワゴン車タイプのミニバスだからこそ実現したといえます。「やまとんGO」の路線は、小田急南林間駅と相鉄相模大塚駅を結んでいます。

 東名松田(神奈川県松田町)は、ミニSLが走る「ふるさと鉄道」で有名な「松田山ハーブテラス」へ徒歩約3分です。特に、早咲きの河津桜で山がピンク色に染まる桜まつり(毎年2~3月ごろ)期間中は駐車場が混雑するので、高速バスなど公共交通機関での来園が推奨されます。

【地図】こんなにある!? 関越道&東北道の使われていないバス停

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