関越道や東北道「使われていないバス停だらけ」のナゼ 東名や中央道はフル稼働なのに
新東名の時代には停留所ナシに
新東名(2012年から順次開通)の時代になると、道路整備の考え方が変わり、原則として本線上に停留所は整備されなくなりました。新名神でも、滋賀県の土山SAに併設の停留所があるだけです。
その代わり、新東名の新城IC(愛知県新城市)では、ICの目の前に道の駅が整備され、その中に高速バスの停留所が設置されています。さらに、ETC2.0の機能を活用した実証実験により、高速道路から一時退出しても高速道路料金が通算される特例が適用されています。
高速道路上のバス停、どうやって利用するの?
さて、慣れない人には、高速道路本線脇の停留所を使うのはちょっと不安かもしれません。でも使い方は簡単です。一般道から停留所へ近づくと、必ず「高速バス(東京方面)」というような標識が立っています。防音壁がある場合は、引き戸が付いています。その扉を明けると、もう本線脇の停留所です。
ただ、本線を見ると、速達型の高速バスや貸切バスなど多数のバスが続々と通過していきます。わかってはいても「置いて行かれたのではないか」と不安になりそうです。あいにく、乗りたいバスの位置をスマホなどでリアルタイムにて確認できるバスロケ(バスロケーションシステム)の導入は、一部の路線に限られています。
これは複数の事業者が共同運行する路線が多く調整が困難なためです。しかし、予約センターに「バスがまだ来ない」という問い合わせが多いことを考えても、各社で調整して早期にバスロケが普及することが望まれます。
このようなバス事業者の努力や地元自治体のサポートなどがあれば、もっと活用されそうな高速道路上の停留所や「管理用施設」が、まだ残されていそうです。
【了】
Writer: 成定竜一(高速バスマーケティング研究所代表)
1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。新聞、テレビなどでコメント多数。
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