古い卒業写真から奇跡の発見 巨大“木造掩体壕” 田んぼに点在する異様な構造物のナゾ

高知空港近くの田園地帯に、掩体壕(えんたいごう)が点在しています。これは戦後77年を経過しても今なお残る戦争中の遺物です。どうしてこの地に造られたのか、それとともに新たに写真で確認された木造格納庫についても見てみます。

陸軍と海軍でも違った掩体壕の造り方

 コンクリート製の掩体壕はあまりにも頑丈に造られていたため、その一部は戦後も破壊されずに全国各地に残っています。たとえば関東の場合、千葉県茂原市には海軍二五二航空隊が使用した20数基の掩体壕の内11基が2022年現在も残されていて、なかでも最も大きな1基は市の文化財に指定されています。

 また大分県宇佐市には宇佐海軍航空隊が建設した10基が現存しており、「城井1号掩体壕」と名付けられた1基は市の文化財に指定され、周囲も公園として整備されています。しかし、このように史跡として登録整備されているのはごく一部で、全国に残る掩体壕の中には、農機具置き場や倉庫代わりに使われていて荒れ果てたものもあるのが現状です。

 そしてコンクリート製の掩体壕も、格納する航空機の種類や製作時期、材料、そして何よりも使用した航空隊が陸軍所属か海軍所属かによって、造り方に違いがありました。

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調布飛行場横に残る三式戦闘機「飛燕」用の掩体壕。戦後、正面入口に蓋をされたが、使用当時は大きな開口部があった。また半地下構造なので、高さも海軍のものより低くなっている(吉川和篤撮影)。

 たとえば東京の調布飛行場(調布空港)横に残る、旧日本陸軍の飛行第244戦隊が使用した三式戦闘機「飛燕」用の掩体壕は、地面を1m以上掘ってからその上にコンクリート製のカマボコ屋根を付けて、前後に空気が抜ける半地下構造になっています。

 これは背が低いために爆撃時の爆風を避けやすく、さらに上空の敵からも発見されにくいという効果を持つもので、加えてアーチ状の屋根の上には土が盛られて草木も植えられ、大地の一部かのように偽装まで施される徹底ぶりでした。

 そのため調布市や府中市に現存する三式戦用掩体壕の多くは、戦後しばらく経つと内部に土が溜ってしまい、半分地面に埋まった状態へと風化してしまっています。なお、尾翼から壕内に入れる仕様のため、上から見ると横幅がだんだんと狭まる構造なのがわかります。

【一式陸上攻撃機入れたイメージも】現存しない木造掩体壕を捉えた貴重な写真ほか

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