古い卒業写真から奇跡の発見 巨大“木造掩体壕” 田んぼに点在する異様な構造物のナゾ

高知空港近くの田園地帯に、掩体壕(えんたいごう)が点在しています。これは戦後77年を経過しても今なお残る戦争中の遺物です。どうしてこの地に造られたのか、それとともに新たに写真で確認された木造格納庫についても見てみます。

高知空港横の掩体壕、陸軍 or 海軍どっちの?

 対して旧日本海軍のコンクリート製掩体壕は、整地して固めた地面の上に普通に建てられているためか、陸軍機とほぼ同じクラスの機体を格納するためのものでも、陸軍の掩体壕と比べてひとまわり大きく見えます。また、入口も調布のように開きっぱなしではなく垂直の壁があり、それぞれの航空機の正面形状より大きな穴が開いていました。

 また同じく尾翼側から入れる構造ではあるものの、奥へ向かって横幅が狭くなるのではなく、途中まで同じ幅で最後に尾翼部分を格納するひと回り小さな構造物が付属した段のある形状で、後部にも人が出入りするための穴が真ん中に開いた垂直の壁が設けられています。

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公園として整備されて、いつでも見学が自由な高知県南国市の5号掩体壕。内部の一番奥には人が出入りする穴が見える。2号~7号とほぼ同じサイズで、単発機の機上作業練習機「白菊」用だと思われる(吉川和篤撮影)。

 こうした掩体壕の造り方としては、まず同じサイズの大きな土まんじゅうを設置する場所に作り、海軍の応援部隊や勤労学生、地元の農家の手を借りて大勢でその上に上がって踏み固めます。そして固めた土まんじゅうの上にムシロやセメント袋を敷き詰めて、さらに上に鉄筋を張ってセメントを流し込んで塗り固めます。そしてセメントが固まったら中の土を全て取り除いて、ドーム状の掩体壕が完成します。そのため天井の内側には、ムシロやセメント袋のシワの跡が無数に残っているのです。

 冒頭に述べた高知の掩体壕は、これら旧日本海軍が造ったコンクリート製掩体壕にあたります。用いていたのは高知海軍航空隊で、掩体壕は中型が15基、小型が9基、W型が17基造られ、現在は高知龍馬空港に隣接する南国市の前浜地区にコンクリート製でドーム状の7基が残されています。

 その中で最も大きい「4号掩体壕」は幅44m、奥行き23m、高さ8.5mあり、国内に現存する掩体壕としては最大クラスと言えるでしょう。なお、それ以外の6基はほぼ同じ大きさで、幅22m、奥行き12m、高さ5m程度です。

 では、次にこの掩体壕にどんな航空機を入れていたのか見てみましょう。

【一式陸上攻撃機入れたイメージも】現存しない木造掩体壕を捉えた貴重な写真ほか

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