ホームドア閉じたら「あれ、ズレてる」なぜ? 左右にも前後にもズレ メーカーに聞いた
ホームドアが「鉄道会社にとって」収入源に!?
ドアはいくつか種類があり、重さは360~500kgもあるそうです。例えば東京メトロ半蔵門線の永田町駅にあるナブテスコ製のドアの重さは、1セット(ドア2枚分)で500kg。1両にドアが4セット分必要として、10両編成なら40セット分。つまり単純計算で500kg×40セット=2万kg、計20トンという総重量になります。プラットホームにかかる負担はかなり大きく、本体の値段や設置費用に加え、重さに耐えうるホームの強化工事費を考えると、鉄道会社の経済的負担は相当なものです。
負担軽減にドアの軽量化は欠かせません。ドア一式を金属製にするのではなく、例えばドア部分は、筆者(武田信晃)が触った感触だと、透明ガラスのような異なる素材に見受けられました。
透明にするもうひとつの意味は、視認性を高めるためです。万が一、ホームドアと車両のあいだに人などが取り残された場合にホームから確認しやすくなるほか、利用客があらかじめ、車両とホームの隙間を認識しやすくなります。また、ホームに開放感も持たせています。
ところで冒頭、ドアの左右がずれているケースを紹介しましたが、ナブテスコは左右を同じ寸法にする代わりに「大開口ホーム柵」というドアを導入することで、多彩な車両に対応できるようにしているそうです。
ホームドアには、電車待ちのあいだも楽しませてくれるものもあります。戸袋部分に縦型のスクリーンが設置されており、ここには運行情報などのほか、広告も流れます。ただしスクリーンの有無は、鉄道会社によって異なります。もし、ここをデッドスペースにせず活用するならば、鉄道会社にとっても新たな広告収入源となることでしょう。
【了】
Writer: 武田信晃
新聞記者、編集者として勤務した後、フリーランスのジャーナリストとして独立。香港と日本の政治・経済、社会などを中心取材するほか、国内外で行われているスポーツについても取材・執筆をしている。
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