「軽井沢事故と変わらない」富士山の観光バス横転事故 危険な道がバスの定番ルートに

富士山麓の「ふじあざみライン」で発生した観光バスの横転事故。その背景を取材していくと、2016年の「軽井沢スキーバス事故」と同じ構図が見えてきました。ドライバーは、そのルートを選ばざるを得なかった事情があります。

運転士も、バス事業者も、ツアー会社にも責任?

 ハンドルを握っていた運転手の責任は大きいですが、周囲も支えるべきだった、と運行管理者は訴えます。

「あずみラインは五合目の駐車場を出たとたんに、がんがんスピードが出ます。イメージとしてはスキー場をバスで下るような感じ。駐車場を出る時から嫌だなあと思うくらい急勾配。彼の経験だったら、対向車は上がってこないで、遅いクルマは前を走らないでと願うくらい。乗用車が前にいたら、20トン以上あるバスは止まらないから、すぐに追い付いてしまうからです」

 そんな道だから、運行管理者の指示が重要だと話します。

「私なら、2速でゆっくり降りて来いよ、入れても3速だぞって指示する。もしブレーキが甘いなと感じたら、恥ずかしいかもしれないけど、脇に寄せてブレーキを冷ましてから再出発しろと言う。ブレーキが焼けるとすごい臭いがするから、窓をあけて走っていたら察知できるんです。そうしたことを教えられるのが運行管理者」

 さらに、運転手本人の心構えも指摘します。

「本人もあざみラインを走れと言われたら、急勾配なのでツーマン運行にしてくれませんかと会社に言うべきだった。同じ会社で同じ区間を走っているドライバーもいるのだから、注意しろよと教えてあげないといけなかった。何より、喜んであざみラインを走ることを選ぶ関係者に問題がある。運転士だけを責められない」

 アフターコロナで国内観光も、インバウンドも急増するなか、職を離れた一線のドライバーは、なかなか復職しないと聞きます。そんな中で運転経験が少ないドライバーを支える体制はできていたのでしょうか。6年前の軽井沢スキーバス転落事故との共通点が浮かび上がってきます。

【了】

【地図】現場のすごい「クネクネ道路」っぷり

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

1件のコメント

  1. 通行料が大幅に値上げされたなら、バスツアーも料金を改定せざるを得ないです。船もバスも安くて安全は、通用しないです。会社の負担を運転手さんだけに押し付けるやり方は、完全に間違っています。

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