世界初スタイルで打倒アメリカ! エアバス初の旅客機「A300」は成功作? 誕生の裏に “団結”

ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社が初めて手掛けた旅客機「A300」は、世界で初めて「双発のワイドボディ機」として生まれました。その後のエアバス社の成功にどうつながったのでしょうか。

初飛行後のA300、繰り広げられた斬新な売り込み

 ただ初飛行後のA300は、ヨーロッパ域内以外では全く売れず、セールスに苦労します。そのことから、日本を含む東アジアへ積極的な売り込みをかけることになりました。

 これを表す象徴的なエピソードのひとつが、かつてあった日本の航空会社TDA(東亜国内航空。のちにJASとなり、その後JALと合併)への導入の経緯です。

 TDAは国内の航空会社では初めてのエアバス機としてA300を採用。このとき、TDAへは、かなり有利な条件で売り込みがかけられたとも。また、TDAからの“お願い”をうけ、本来はA300のエアバス仕様機がまとっていた「レインボーカラー」塗装を、TDAの塗装としての使用を許可したことも挙げられるでしょう。

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TDAのエアバスA300(画像:TDA)。

 こうした世界を股にかけた粉骨砕身のセールスを繰り広げた結果、A300は500機以上を売り上げ、東アジア、そしてアメリカでも使用されました。また、短胴型の派生型A310、グラス・コクピット化したA300-600系列を含めて800機も量産されました。これはライバルとされたDC-10の約500機、L-1011の250機と比較しても好調な数字です。

 A300で実績を積むことにより、エアバス社のその後の機体への橋渡しとして、空港における取り扱い、安全性、経済性、整備性などを実証。世界二大旅客機メーカーとなる礎を築いたのです。

 

【了】

【写真】まさに魔改造! A300ベースの異形の輸送機「ベルーガ」

Writer:

成田空港隣の航空科学博物館元学芸員。日本初の「航空関係専門学芸員」として同館の開設準備を主導したほか、「アンリ・ファルマン複葉機」の制作も参加。同館の設立財団理事長が開講した日本大学 航空宇宙工学科卒で、航空ジャーナリスト協会の在籍歴もある。

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