特急消えて観光列車がやってきた 「ふたつ星4047」賑わう地域に感じた戸惑いと温度差

観光客がドドっと下りてきた!

 十数か所ある「ふたつ星4047」の停車駅のうち、肥前浜、多良、小長井、諫早の各駅(長崎本線)と千綿駅(大村線)では、それぞれ10分程度の停車時間が設けられ、多くの駅では特産品や景色を楽しめるような歓迎イベントが行っています。

 各駅で話を聞くと一様に、到着ごとの賑わいぶりに驚いていました。これまで朝晩に普通列車が少し混むくらいだった各駅にとって、「この駅には何がある? 名物売ってる? 買える?」と目をキョロキョロさせた乗客が観光特急(定員87名)から一斉に降りてくる経験は、これまでなかったといいます。

 中には運行開始後の動向から、「地元の洋菓子店に出店をお願いし、近所の幼稚園などにも動員をかけて、『ふたつ星』歓迎の体制を整えた」(多良駅)など、受け入れ体制を急きょ見直すところも。

 また特急列車激減の影響を大きく受けた佐賀県鹿島市では、“酒蔵の町”として知られている肥前浜駅への「ふたつ星」停車に大きな期待を寄せています。もとより駅舎内にはバー「HAMA BAR」があり、従来からの観光列車「36ぷらす3」も月曜日のみ乗り入れるため、日本酒を活用したおもてなしはお手のもの。これまで“博多直通特急でのアクセスの良さ”がPRポイントだった鹿島市は、いままで以上に観光に力を入れる様子が伺えます。

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2号車ラウンジの窓は障子が付けられ、旅館に泊まっているかのような気分で絶景を見ることができる(宮武和多哉撮影)。

 ホームでは「ふたつ星」の到着に合わせて飲み比べセットや、大吟醸酒の販売が行われ、これを目当てに乗車された方もかなり多い様子。またパワースポットとして知られる祐徳稲荷の門前などからも、土産店や飲食店が出張しており、「観光地で待つことなく、こちらから会いに行く」という積極的な様子が伺えます。

 他にも、新幹線開業とともに「肥前山口」から改称した駅名のアピールが賑やかな江北駅(町名としては1932年から使用)や、特産の「彼杵(そのぎ)茶」を配布し(町役場の人いわく数量限定)、そのお茶との相性が抜群の「くじら焼き」(鯛焼きの巨大版)を販売する千綿駅(東彼杵町)など、それぞれの強みがアピールされています。

【地図】「ふたつ星」の運行ルート/各駅の熱烈歓迎!(写真)

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