「世界で最も静かな飛行機」どう実現? 求められた“夜のジャングル飛んでもバレない”性能

アメリカには「世界一静かな飛行機」とも呼ばれる機体が存在します。それはYO-3A「クワイエット・スター」。そのまんまな愛称が付けられたこの機体、何のために作られたのか、誕生の経緯と運用についてひも解きます。

アメリカ陸軍が要求、でも攻撃用にあらず。

 飛行機には「世界初」はもちろんのこと、「世界最大」や「世界最速」、はたまた「世界最重」「世界最多」「世界最長(全長、全幅、航続距離など)」「世界最高(高度、取得単価など)」など、あらゆる分野で世界一と呼ばれる機体があります。ただ、そのなかで一風変わった世界一といえそうなのが、「世界で最も静かな飛行機」でしょう。

 この称号をもつ機体が、ロッキードYO-3A「クワイエット・スター」です。なぜそう断言できるのか、そしてこのような性能を誰が欲し、どう使おうと考えて製作されたのか、見てみましょう。

Large 20221121 01
アメリカ陸軍が運用していたときの迷彩塗装が施されたYO-3A「クワイエット・スター」(画像:NASA)。

 YO-3Aは生まれたのは1960年代のこと。当時、アメリカはベトナム戦争が膠着状態に陥っていました。前線では敵であるベトコン(南ベトナム解放民族戦線)の補給路を断つことが重要な課題となっており、そのためには、夜間にジャングルで活動するベトコンの活動をいかに見つけ出し、阻止するかを考える必要がありました。

 そこで、アメリカ陸軍は1965(昭和40)年、航空機メーカーに向けて「高度1500フィート(約450m)で飛行した時、地上から音で気づかれない航空機」という仕様書を出します。軍が必要としていたのは一種のステルス機といえますが、レーダーに映らないステルスではなく音響的にステルスな航空機でした。

 これにロッキード社が応えます。グライダーにエンジンを取り付けた試作機、QT-2PCを製作し、ベトナムの前線で評価が行われました。このときのテストで、夜間ジャングル上空を低空で静かに飛行して監視することは、ベトコンの活動を炙り出すのに有効であることが確認されます。そこで、より本格的な夜間偵察機としてYO-3A「クワイエット・スター」が開発されました。

【コックピット内部も】ゆっくり飛ぶYO-3Aの姿ほか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス