“空飛ぶ円盤” アメリカの珍機「V-173」初飛行 – 1942.11.23 UFOと間違えてもしょうがない?

実用化されていれば空母の上も一変したかも!?

「円盤翼」構造が生まれた背景

 1942(昭和17)年11月23日はアメリカの試験機V-173「フライング・パンケーキ」が初飛行した日です。

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テキサス州ダラスにある航空博物館「フロンティア・オブ・フライト・ミュージアム」で屋内展示されているV-173「フライング・パンケーキ」(布留川 司撮影)。

 一度見れば誰もが忘れないであろう風変わりなこの機体は、円盤翼という特殊な形状が元になっています。機体を上から見ると全体が丸みを帯びた楕円系で、横から見ると全体が平たい、のっぺりとした感じなのが特徴です。機体後方には水平尾翼と垂直尾翼がそれぞれペアで取り付けられており、前部には両端にエンジンと大口径のプロペラが、そして中央にコックピットが配置されています。

 飛行機にあまり詳しくない人がこの機体を見たら、そのときに連想する言葉は、飛行機ではなくフリスビーやお皿であり、それこそ「空飛ぶ円盤」、UFOになるのではないでしょうか。なぜ第2次世界大戦中のアメリカで、このような風変わりな航空機が誕生したのか、その経緯を見てみましょう。

 この円盤翼の機体を求めたのは当時のアメリカ海軍でした。V-173のような大型プロペラと円盤翼の組み合わせは、プロペラの気流が胴体全体を流れることで、機体の速度域に大きく左右されずに揚力を生み出すことができるという特徴を持っていました。それは低速での飛行性能だけでなく、短距離での離着陸が可能というSTOL性にも繋がるため、空母や艦艇といった限られたスペースから発進する艦載機には最適な特性だといえます。

 この機体を設計したのはチャンス・ヴォート社の航空技師チャールズ・H・ジマーマン。彼は、1930年代から円盤翼機の開発を進めていました。彼はまず、大型のプロペラと円盤翼の組み合わせを実証するために、「V-162」と呼ばれる円盤翼の大型ラジコン機を製作。それで自らの理論が正しいことを実証します。そして試験飛行に満足すると、そのアイディアをアメリカ海軍に売り込んだのです。これにより、アメリカ海軍から研究資金の提供を受けると、1940(昭和15)年から実物大模型による風洞試験を実施し、それら研究データの結果から有人機であるV-173を生み出しました。

【飛行する姿も】空飛ぶ円盤 V-173「フライング・パンケーキ」を隅々まで見る

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