さらばジョイフルトレイン JR北海道「ノースレインボーエクスプレス」 旅を楽しくした30年

JR東日本管内を走行したことも

 3号車は、ディーゼルカーでは珍しい2階建てとなっています。客席は2階。ほかの車両と内装や車内設備が揃えられており、眺望の良さに変わりがありません。

 1階にはラウンジがあり、ソファが設置されたフリースペースになっています。また簡単な厨房設備もあり、かつては客室乗務員がカウンターで、車内販売も行っていました。

 リゾート車両は外観が個性的でした。「ノースレインボーエクスプレス」では各号車で車体塗装を変え、窓周りは1号車から順にラベンダー、ブルー、ライトグリーン、オレンジ、ピンクとされています。加えて、この5色を用いたロゴマークもデザイン。なおベースの色はライトグレーのほか、車体の裾にガンメタルグレーをした2色に塗られています。

 性能面では北海道内での高速化に対応し、最高速度130km/hで走行可能です。

「ノースレインボーエクスプレス」は登場時3両編成でしたが、半年経たずして現在の2・3号車を連結し5両編成となりました。当初は「はこだてエクスプレス」として函館~札幌間で使用されたほか、函館~弘前間の臨時特急「さくらエクスプレス」としてJR東日本管内に乗り入れたこともあります。なお、この際は青函トンネル通過にかかる防火上の理由で、青森~函館間では電気機関車によってけん引されました。

 ほかにも、夏季には「フラノラベンダーエクスプレス」(札幌~富良野)、冬季には「流氷特急オホーツクの風」(札幌~網走)で使用されるなど、道内各地を走行しました。

 運行終了が発表されてからは、メモリアル運行として「はこだてエクスプレス」、「まんぷくサロベツ」(札幌~稚内)、「流氷特急オホーツクの風」(札幌~網走)、「ニセコ」(函館~札幌:小樽経由)が設定され、2022年11月27日の「ニセコ」をもって引退しました。なおラストランとして2023年4月に、旅行会社専用の団体貸切列車が運行される予定です。

 後継車両は、JR北海道の主力車両に成長した多目的車両「はまなす」「ラベンダー」編成として使われる、キハ261系(5000番台)です。

【了】

【写真】「ノースレインボーエクスプレス」の車内や運転台

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Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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