世界最古の現役艦が芦ノ湖に? 軍艦モデル「箱根海賊船」の再現度にミリタリー目線でニンマリ

水戸岡鋭治氏、鉄道だけでなく船デザインも

「ロワイヤル・ルイ」は「ビクトリー」と同じく、備砲を3列に分けて配置した軍艦でした。「ロワイヤルII」では、この備砲配置や船内外の装飾、船体後部の回廊部分などで雰囲気を再現しています。なお、船室には舵輪や船員の人形も配置されているほか、豪華な椅子も設けられ、フランスらしさを感じられます。

「クイーン芦ノ湖」は、九州新幹線やクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の車両デザインで知られる、工業デザイナー・水戸岡鋭治氏が手がけた観光船です。コンセプトは「心ときめくクルーズ」。水戸岡デザインらしい、多彩な色・形・素材を組合せた装飾性豊かな船内で、クラシックなデザインが特徴です。

 なお「箱根海賊船」には1964(昭和39)年以来、海賊船「パイオニア」を皮切りに、イギリス戦列艦「ソブリンオブシーズ」をモデルとした「ビクトリア」や、初代スウェーデン国王グスタフが建造した戦列艦をモデルとした「バーサ」が就役しています。

 さて筆者(安藤昌季:乗りものライター)は2022年10月、箱根町港から「ロワイヤルII」に乗船しました。ちょうど隣に「ビクトリー」が停泊しており、帆船軍艦が並ぶ風景はまるで18世紀のようでした。

「箱根海賊船」は特別船室と一般船室に分かれています。600円の追加料金を支払うことで、ゆったりしたソファを備えた特別船室が利用できるわけです。総トン数315トンの小さな船ですが船内には売店もあり、箱根山の天然水やホットコーヒーなどドリンクメニューも提供されます。

【写真】「ロワイヤルII」の特別船室 ほか

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