世界最古の現役艦が芦ノ湖に? 軍艦モデル「箱根海賊船」の再現度にミリタリー目線でニンマリ

特別船室へ

 特筆すべきは、乗船時が晴天とはいえほとんど揺れないことです。「最新技術で作られた帆船軍艦」という不思議さを実感できます。

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最上甲板に出られる(安藤昌季撮影)。

 特別船室は白いソファが並ぶ贅沢な空間であり、展望もよく快適。さらに展望デッキも使えます。最上甲板に出ると、船首部分の見晴しのよい空間を独占できます。ちなみに、あちこちに樽や船員、模擬の小銃まで装飾されており、いかにも海賊船といったところ。乗船時は特別船室の方が空いていましたから、人が密になっている後方の一般客室からのデッキより、景色を眺めやすい印象でした。

 船は10分で元箱根港に到着しました。ここで、船客がかなり入れ替わります。10分停泊の後、桃源台港へ向けてさらに25分の船路です。途中、水戸岡デザインの「クイーン芦ノ湖」とすれ違い、その黄金の船体を興味深く眺めていると、ほどなく終点の桃源台港に到着。

 箱根ロープウェイの桃源台駅と接続しているため、「箱根フリーパス」を持つ観光客が大挙して乗り換えていきました。ちなみに桃源台駅は、新宿からの高速バスも運行されているので便利な立地です。観光地・箱根を巡る中で、ちょっとした海賊気分を味わえる「箱根海賊船」。なかなか楽しい船旅でした。

【了】

【写真】「ロワイヤルII」の特別船室 ほか

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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