「零戦」実はタイプ別に違う!? 二一型、三二型…「全部同じじゃないですか!?」よく見ろ!見分けるコツは

「五二型」生産数最多、ゼロ戦の代表的モデル

 零戦五二型は、速度を向上させるために主翼の幅を三一型と同様、11mに切り詰めたのがポイントです。ただし、翼端は三二型のように角型ではなく丸く成形しています。なお、折り畳み機構は三二型と同じく撤廃しています。

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エンジンカウルから突き出たマフラーがポイントの零戦五二型(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)

 エンジンカウルの部分にも変化があります。排気管がこれまでの集合式ではなく、排気を後方に噴射しその反作用で推力を得ることを目指した、推力式単排気管というものに変えたため、エンジンカウルからマフラーが1本ずつ後方へ突き出ているような形となっています。

 1944(昭和19)年以降は同機が零戦の主力モデルとなります。1万機以上生産されたうち約6000機が五二型だったため、太平洋戦争後半を代表するモデルともいえるでしょう。戦後作られた映画やマンガなどの創作物などで、戦争後半、暗緑色の機体カラーで飛んでいる機体は五二型であるケースが多いです。

 ちなみに、五二型は武装によって甲乙丙に分かれるほか、前述した二一型の前には初期量産型として一一型なるモデルもあります。加えて、エンジンを金星六二型に換装した五四型や、250kg爆弾を胴体下部へ搭載可能にした六二型なども存在しますが、比較的有名なのは上記の4タイプなので、これらを抑えておけば概ね問題ないでしょう。

 なお、都内にある靖國神社遊就館や、静岡県の航空自衛隊浜松広報館(エアーパーク)には五二型が保存・展示されています。さらに、福岡県の筑前町立大刀洗平和記念館では三二型が、広島県の呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)では珍しい六二型も見学できます。

【了】

※一部修正しました(12月11日14時50分)

【写真】日本に現存する零戦たち!

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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3件のコメント

  1. 一一型はおまけとして扱ってよいものではないでしょうなあ。番号の命名法にも触れるべきでしょうなあ。

    • だからオタクは嫌われるんだよ
      差別ではない
      気違いは嫌われて当然

  2. 零式艦上戦闘機って200種類あんねん