「そのF-16買う!」米海軍が空軍のお古に目をつけたワケ 空母で使えなくても財布に優しい?

FA-18「ホーネット」じゃ駄目なの?

 F-5Nは戦闘機としての機動性が高く、それでいてシンプルな機体構成のために運用コストが安いという利点を持っており、アドバーサリー飛行隊には最適な機体でした。しかし、元は軽戦闘機に分類される機体のため、これらで再現できる敵機の“レベル”には限界があり、現在の空中戦の訓練では敵役として十分なものではなくなっていたようです。

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F-16でのセレモニーフライト後に握手するパイロットたち(画像:アメリカ海軍)。

 なお、アメリカ海軍では、より高性能な戦闘機として、F/A-18「ホーネット」を別のアドバーサリー飛行隊に配備し、運用していました。しかし、一般の戦闘飛行隊がより高性能な新型機F/A-18E/F「スーパーホーネット」へ装備を更新したことで、効率の悪い少数運用となり、おまけに老朽化したことで運用経費も高騰。その代替機が必要になっていました。

 アドバーサリー飛行隊もF/A-18E/F「スーパーホーネット」に更新したいところですが、保有機に限りがあるために一部の飛行隊しか更新できませんでした。そこでアメリカ海軍が目を付けたのが、アメリカ空軍で余剰となったF-16ファルコンだったといえるでしょう。

 今回、第13混成戦闘飛行隊に配備された機体は、元々アメリカ州空軍で使われていたF-16Cブロック32で、アメリカ空軍の最新型である同ブロック50よりも古い機体です。これらは最新のステルス戦闘機F-35Aの配備によって余剰になった機体ですが、アドバーサリー飛行隊の任務には支障は無く、むしろ今までのF-5Nよりも高性能な機体となっています。アメリカ海軍ではF-5Nも別のアドバーサリー飛行隊で継続して運用していく模様ですが、F-16が加わったことで模擬できる敵機と訓練の質の向上にも繋がると推察されます。

【もうすぐ消える“敵”役ホーネットも】米海軍アドバーサリー飛行隊で運用される様々な戦闘機たち

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