世界最速の航空機=伝説の金食い虫! SR-71「ブラックバード」ミサイルかわすも予算で“撃墜”

60年ほど前の1964年12月22日、世界最速の実用機といわれるSR-71「ブラックバード」が初飛行しました。この機体、すべてが専用設計で運用コストはケタ違いだとか。燃料も特注品のため、空中給油機も専用のものだったそうです。

「世界最速」は偉大!? 全米各地に残るSR-71

「最速の航空機」という能力にはブランド的な魅力もあったためか、軍人だけでなく政府関係者の間でもSR-71の運用継続を求める声が上がったようですが、別手段である偵察衛星の発達や無人機の開発が決め手となり、アメリカ空軍から退役することが決まりました。

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試験機としてNASAに引き渡されたSR-71(写真:NASA)。

 その後、3機のSR-71が超音速飛行の試験機としてNASAに引き渡され各種試験のために飛行を続けます。1995(平成7)年には議会の働きかけでSR-71を現役復帰させる動きもありましたが、最終的に予算が付かず1998(平成10)年にこの機体がアメリカ空軍から完全退役。NASAの試験機も1999(平成11)年10月の最終飛行を持って運用を終了しました。

 SR-71はもう二度と飛ぶことのない過去の機体です。しかし、それが打ち立てた記録はいまだに破られておらず、航空機の歴史ではその名前は輝きを失っていません。

 今年(2022年)に公開された映画『トップガン マーヴェリック』では、マッハ10で飛行する架空の実験機「ダークスター」が登場しましたが、その監修とモックアップの製作にはSR-71を開発した設計チーム「スカンクワークス」が協力しており、その設定に一番の影響を与えたのは間違いなくこのSR-71だと思われます。

 なおSR-71は退役したとはいえ、その抜群の知名度から全米中の博物館や基地ゲートガードとして複数機が現存しています。そのため、その姿は「世界最速」のフレーズとともに、いまだ比較的簡単に見ることができます。

【了】

【まるで宇宙服!】専用の飛行服とヘルメットを着用したSR-71クルーほか

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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