2023年「脱・アブラ元年」なるか 注目の新造船5選 燃料“切り替え可能”な船が続々

新海洋気象観測船(2023年度竣工予定)

 気象庁の新しい海洋気象観測船が2023年度中に登場する予定です。同船は現在運用している「凌風丸」(1380総トン)の代替船で、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)が受注しました。同社横浜事業所磯子工場で建造されると見られます。

 海洋気象観測船の新造整備は、2020年12月に政府が閣議決定した「国土強靱(きょうじん)化5カ年対策」の中に盛り込まれています。国土交通省は中長期の目標として「気象の監視・予測体制の維持強化を進めることにより、気象の予測精度を向上させ、線状降水帯対策、集中豪雨情報の発表を開始することにより、豪雨災害の被害を軽減する」ことを掲げており、適切な情報収集のため海洋気象観測船の更新が必要だとしていました。

 新たな海洋気象観測船は、異常な大雨の原因となる「線状降水帯」の予測精度向上に向け、洋上観測能力を強化。水蒸気観測を行うための「全地球航法衛星システム(GNSS)」も搭載します。

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 地球の未来を占う新燃料を使用する船舶から、温暖化や気候変動を調べる観測船まで多様な船舶が海上に現れる2023年。なかには、フェリーさんふらわあが大阪~別府航路に投入する国内初のLNG燃料フェリー「さんふらわあ くれない/むらさき」のように、実際に旅客として乗れるものもあります。エンジンや船のデザインがどのように進化していくのか、ぜひ注目してみて下さい。

【了】

【写真】2023年注目の新造船 写真でイッキ見

Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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