【空から撮った鉄道】鉄道開業150年 激変しようとしている品川~田町

2022年は日本初の鉄道開業から150周年の節目です。日本初の駅のひとつである品川駅から、現在の高輪ゲートウェイ駅や田町駅付近まで存在した「高輪築堤」の姿を紹介します。周辺では再開発事業がかなり進行していました。

この記事の目次

・開発エリアの築堤はほぼ解体済み
・品川駅も今後、大変貌を遂げる
・けっこう広範囲だった高輪築堤
・さらに見違える姿になるであろう高輪ゲートウェイ周辺

【画像枚数】全17点

開発エリアの築堤はほぼ解体済み

 品川駅と品川~田町間の空撮は2008(平成20)年から実施してきました。この『空から撮った鉄道』でも、田町車両センターなどが廃止になる前の姿や、日本初の鉄道の遺構である「高輪築堤」の発掘状況など数回紹介してきました。今回は久しぶりに、この一帯の状況をお伝えします。

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2008年7月当時の品川駅。写真下の西口駅舎と、隣接する9階建てのビルがまだ健在だった。駅北側(写真の左手)には洗浄線があって、サンライズエクスプレスが洗浄中だった(2008年7月、吉永陽一撮影)。
品川駅西口(高輪口)から港南口を見る。西口の顔である2階建ての白い駅舎は1953年築。今後は解体され、手前の第一京浜道路まで覆う人工地盤が建設される。駅舎左手の建物は既に解体されている。写真左の線路を覆う部分は北口の人工地盤(2022年11月、吉永陽一撮影)。

 空撮は鉄道開業150周年の「鉄道の日」と掛け合わせ、2022年10月14日に行おうかとも考えていましたが、天候が悪く断念。まだ秋が終わらぬうちに撮っておこうと考えているうちに月日が経過し、11月17日にやっと実施できた次第です。

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2008年7月当時の品川~田町間を東側から見る。手前は品川客車区の名残りで、24系25形の寝台特急「富士・はやぶさ」の姿も懐かしい。京浜東北線は209系だ。その他の顔ぶれも全てが懐かしく感じる。背後のビルの「NTN」看板は現在も変わらずなので、2022年11月の現在写真と比較すると、その変わりように驚く(吉永陽一撮影)。
2020年12月時点の高輪ゲートウェイ駅。駅前に高輪築堤が現れたときの姿である。この時から1年半でかなり様相が変化している(吉永陽一撮影)。
高輪ゲートウェイ駅を東側から見る。2022年11月時点で駅前に3基の大型クレーンが聳えており、複合棟Iの「North」ビルが建設中である。数年も経てば街が誕生してガラッと変化するだろう(吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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