【空から撮った鉄道】旅客機と鉄道車両を1枚に収める 羽田空港の鉄道・東京モノレール編

空から見た羽田空港周辺の鉄道を2回に渡って紹介します。その1は東京モノレール。空港周辺でモノレールは地上と地下を行き来しますが、旅客機と鉄道車両を1枚に収められるポイントも。ただ、上空での撮影には様々な制約もあります。

この記事の目次

・2度行われた、東京モノレールのルート変更
・ひっきりなしに離着陸 高めの高度から…
・「旅客機と鉄道車両」を1枚に収める
・過去、離着陸便数が少ない早朝に撮影

【画像枚数】全13点

2度行われた、東京モノレールのルート変更

 東京モノレールは1964(昭和39)年に浜松町~羽田間が開業しました。当時の羽田空港は道路のみのアクセスだったので、モノレールの開業によって交通の便が良くなったのです。平成になると空港ターミナルが移転することとなり、1993(平成5)年に整備場駅(当時は羽田整備場駅)からルート変更をしました。移設された旧線跡は高架軌道設備が撤去され、地下にあった旧羽田駅は現在どうなっているのか伺い知れません。位置はB滑走路付近の地下にあり、埋められたとの話ですが……。

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羽田空港第3ターミナル駅の上空。駐機するJAL機とモノレールを捉える。モノレール車両は白ベースの車体が多いため、遠目からでもすぐ分かる(2022年6月28日、吉永陽一撮影)。

 さらに移転後の高架軌条は、2010(平成22)年の羽田空港国際線ビル駅(現・羽田空港第3ターミナル駅)開業にあわせて一部をルート変更しました。ルート変更前の旧線は撤去されて、現在は跡形もありません。

ひっきりなしに離着陸 高めの高度から…

 せっかくならば旅客機とモノレール車両を臨場感あるように撮りたいのですが、羽田空港は離着陸機が絶えません。いつも利用する空撮航空会社に管制圏内撮影の飛行申請を済ませてもらい、管制官の指示のもと安全な高度で進入します。高めの高度のため、クリアな視程も必要です。

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撮影当日は35℃を超える酷暑。水平視程は暑さで大気が濁って10km強だったが、見下ろす角度ならば視程もまぁまぁだった。高めの高度で空港へ近づいた(2022年6月28日、吉永陽一撮影)。
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画面右はB滑走路。モノレールは画面右下をかすめるように通る。旧羽田駅は滑走路右手の駐機エリア付近の地下にあった(2022年6月28日、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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