「左側通行にご協力を」駅や空港はなぜ道路のルールと反対なのか 鉄道会社「結果的に左に」

左側通行から右側通行に変えられていた?

 歩行者の左側通行は、1920(大正9)年9月に内務省が定めた「道路取締令」により、人もクルマも左側を通行することと決まりました。この取締令以前にも東京では、1900(明治33)年6月に定められた「道路取締規則」ですでに「人道・車馬道の区別ある場合は人道の左側」、区別の無い場所でも「その道の左側」と歩行者の左側通行を明記しています。

 なお、俗説ではありますが、左側通行のルーツは武士が刀を携帯して歩いていた時代、右側通行では、すれ違う人の刀のサヤどうしがぶつかってトラブルになりかねないので、不必要な面倒を避けるために、左側通行になっていた名残という話があります。

 この左側通行のルールが変わったのは、戦後の占領下にあった1949(昭和24)年11月の道路交通法の改正からです。交通量の増加による安全面を考慮し、クルマと歩行者を対面通行にすることを原則としました。

 しかし、これは公道でのルールだけで、駅や地下鉄の通路では特に取り決めがなかったことから、そのまま左側通行の文化が残り、現在でもそれが続いているため、左側通行が多いという説があります。

【了】

【都内でも結構ある?】右側通行の地下鉄通路

Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

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2件のコメント

  1. 原稿にもありますが、左側通行のルールが変わったのは1949年の道路交通法改正で、クルマと歩行者を対面通行にすることが原則となりました。「車は左、人は右」というスローガンが後に生まれますが、それはどういう意味かというと、「車は左(側通行)、人は(道路の)右(を歩く)」という意味で、歩行者が歩道の無い車道を歩くときは、対面の車が見やすい道路の右側を歩きましょう、ということなのです。歩道がまだ一般的でない、車両と歩行者が同じ道路上で混在していた時代の法改正で、「車は左側通行、人は右側通行」ではありません。

  2. 右側通行というものは対面交通という考え方に基づき決められたものであることから、歩道が無い場合に適用されるルールです。つまり、その考え方に従うと歩道では左側通行が合理的と言えます。
    現在の歩道の整備状況から考えると、地域差はあるものの、歩道の利用頻度が高い人々も相当数居ると考えられ、左側通行が道路のルールと反対というのは少し違和感を感じました。