T-14 vs レオパルト2 ロシア最新主力戦車は信頼と実績のドイツ戦車に対抗しうるのか?
それでもゲームチェンジャーにはなりえない理由
現代戦車の戦闘力を測るには、「走」「攻」「守」の他に「IT」という要素が加わります。T-14は「戦術データ統一指揮統制システム(ESU-TZ)」の端末になる「戦車情報指揮システム(TITU)」を最初から装備しています。
これは、戦車間での目標情報共有、砲兵部隊などへの目標情報伝達と射撃要請、指揮機関との情報共有が可能とされます。その明らかになっている情報は少ないのですが、2009(平成21)年から開発が開始されたものの順調ではなく、2018年末にようやく軍の要件を満たしたとされています。「レオパルト2」にもITは付加されているものの、車体の基本設計は古く、後付けとなっているため電力容量など不利な面もあります。
「走」「攻」「守」+「IT」のスペックだけ比較すると、T-14は「レオパルト2」よりも優れています。20世紀と21世紀という登場時期を考えれば当然です。しかしT-14がウクライナに投入されて、「レオパルト2」をはじめ西側戦車に対抗してゲームチェンジャーになることは期待薄です。というのも、実はまだT-14は本格生産にも入っていないのです。
その宇宙船のようなデジタル機器、多くのセンサーやカメラ類が、戦場の過酷な環境で期待通り作動するのか信頼性もありません。前述した19日のイギリス国防省発表でも、ロシア軍のほかの戦車よりも大きく重く、兵站面が課題で「仮に配備されたとしても、プロパガンダのために使うのが第一の目的だろう」と指摘しています。対する「レオパルト2」は、各国で2000両以上が配備され、信頼性と兵站の安定性には定評があります。
T-14は従来コンセプトを変革したチャレンジャーですが、ゲームチェンジャーにはなりそうにありません。T-14や「レオパルト2」の関与はともかく、春から夏にかけて戦局は動きそうな気配です。
【了】
※一部修正しました(1月31日11時02分)。
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
ドイツ首相は「マーティン シュルツ」ではなく「オラフ ショルツ」です。「シュルツ」は前回の首相選で破れた人物です。人名は正確に!
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
モスクワ赤の広場(アスファルト整地路)でパレード中に、ただゆっくり走るだけで壊れる信頼性の無さ。
これがロシアの最新鋭主力戦車って...
It was 7 years ago, and the reason was not a breakdown, but a mechanic's mistake, and it was a parade rehearsal, not a parade