戦車以上に重要? ウクライナ切望の「重量物運搬車」とは 作戦を左右する縁の下の力持ち

2022年1月下旬、ドイツはウクライナに対して「レオパルト2」戦車の供与を決定。この決断に世界中が注目しました。しかし、その直後に戦車と同じかそれ以上に重要な軍用車両の供与も決めています。

これがあれば損傷戦車を繰り返し使うこともOK

 加えて重量物運搬車は、損傷した戦闘車両を後方に送り返す際にも重宝します。戦車など装軌車両をベースにクレーンやウインチを取り付けた装甲回収車は、損傷した戦闘車両を最前線から一歩下がった野戦整備場まで牽引してくることはできますが、そこでの整備や修理での復旧が難しい損傷の大きな車両の場合は、本格的な修復を施すために、数十km後方のデポまで長距離を運ばねばなりません。

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従来、ウクライナ軍の主力重量物運搬車であったKrAZ-6446(画像:ウクライナ国防省)。

 1990年の湾岸戦争では、アメリカ軍は本国のみならずヨーロッパ諸国などからも重量物運搬車をかき集め、M1「エイブラムス」戦車を始めとした各種戦闘車両の運搬に腐心しています。こうすることで、各種装軌式の戦闘車両が最前線に到達する前に故障するのを極力減らそうという配慮だったといえるでしょう。

 なお、戦車を運ぶための運搬車といっても、それしか運べないわけではありません。湾岸戦争のときもアメリカ軍のトランスポーターは、M1「エイブラムス」を運ぶ計画がないときには、他の重量物の運搬などに流用され、重宝されたといわれています。ちなみにこれと同様のことは、先例として第2次世界大戦中の北アフリカ戦線でも行われています。

 こういったことを鑑みると、ウクライナ軍の要求は至極当然とも言えるでしょう。なお、一説には以前から重量物運搬車が不足していたため、今回の「レオパルト2」の供与と合わせて要求したとも言われています。特に同軍の場合、東部と南部それぞれの主戦場に展開した機甲部隊を迅速に配置転換するのに、多数の同車があれば大きな威力を発揮すると思われます。

【ミグ戦闘機の牽引にも使用】アメリカやウクライナの重量物運搬車たち

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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