さらば「ワイドビュー」特急 キハ85系の引退迫る JR東海入魂の快適性 新型にも劣らず!

2023年中の引退が発表されているJR東海キハ85系は、JRグループ初の「国鉄形式の派生型ではない」特急気動車でした。眺望性に優れた構造は列車名に「ワイドビュー」と冠表記を加えたほど。どんな車両だったのでしょうか。

なくなるのが惜しまれるキハ85系の座席

 また、冷房装置は駆動機関直結式となり、これまでの気動車のように「電源車」から給電されるシステムではなくなりました。この結果、どんな編成を組んでも走行性能を維持できるようになり、編成の自由度が高まっています。なお、連結可能な最大両数は10両です。

 キハ85系は、ウリであった眺望の良さが印象に残っている人も多いでしょう。側窓だけでなく運転台越しの前面展望も考慮されており、使用列車は「(ワイドビュー)ひだ」「(ワイドビュー)南紀」と区別されていました。

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キハ85系のグリーン車「キロ85形」車内(安藤昌季撮影)。

 特筆すべきはグリーン車です。当初はキロハ84形が使われ、2+2列で座席間隔116cm、半室グリーン車でしたが、後に「(ワイドビュー)南紀」用として、前面展望が可能かつ1+2列、座席間隔125cmのキロ85形も投入されました。

 なお「(ワイドビュー)南紀」のグリーン車利用が低迷したことで、このキロ85形は「(ワイドビュー)ひだ」に転用されています。その結果として、キロハ84形とキロ85形が同じ編成に連結されることがよくありました。

 どちらに乗ってもグリーン料金は同額なので、座席ファンである筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、上り下りで乗り比べたことがあります。座席のゆとりは、1+2列のキロ85形が上回りますが、フィット感や展開できるフットレストは、2+2列のキロハ84形の方が上。ただどちらもグリーン料金を徴収するに値する、快適な座席でした。

 冒頭で述べた通りキハ85系は順次引退し、新型HC85系で置き換えられます。ただHC85系と比較しても、キハ85系の座席は快適性で劣らないものです。

 HC85系は堅めでホールド感を重視したものですが、キハ85系は柔らか目でクッション性に優れたものです。どちらがよいかは好みが別れますが、筆者はキハ85系派です。ただし、HC85系はグリーン車座席にヘッドレストが設けられており、2+2列のグリーン車の中では最上位の快適性だと思います。

 なお引退後も、当面は臨時列車や観光列車で活躍するようです。

【了】

【写真】さすがワイドビューいい眺め! キハ85系のグリーン車

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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